季節の健康ドクターズアドバイス 夏を上手に過ごす『水分』の摂り方 東京ミッドタウンメディカルセンター 平石貴久特別外来 平石貴久先生 慈恵医大卒、医療法人社団 貴生会理事長、東京・六本木「平石クリニック」前院長。トップアスリートや歌手など、多くの著名人のサポートドクターとして信頼を集めている。

夏を上手に過ごす「水分の摂り方」厳しい暑さや、冷房による気温差により、体が重くなり、食欲が減退しがちなこの季節。夏を上手に過ごすことは、毎日の生活リズムを整えるのはもちろんのこと、「水分」をきちんと摂取することが大切です。
今回は、スポーツ選手も取り入れている、効果的な水分補給のポイントをご紹介します。

200㎖程度の水を15分おきに摂取

イメージ  特に夏場は、汗により水分がどんどん奪われますので、こまめな
水分補給が必要。とはいえ、一度にガブガブとたくさん飲んでも胃が
重くなるだけで、あまり効果はありません。200㎖(湯飲み茶碗1杯
程度)の水を、15〜20分おきに摂取するのがおすすめです。

吸収しやすいのは、実はキンキンに冷えた水

 体が吸収しやすい水の温度は、6〜13℃。特に暑さを感じるときは、
冷蔵庫でしっかり冷やした水(6℃程度)を飲むほうが、のどの渇きをおさえやすく、胃の吸収も高まります。 ただし、アイスや氷など冷たいものを摂りすぎるのは、逆に夏ばての原因となりますので注意してください。

糖分は3.5%

 「水分なら何でもいい」というわけではありません。糖分を摂りすぎると、血糖値が上がったり下がったりして、安定した状態を保ちづらくなります。良好なコンディションを維持するには、糖分は3.5%前後が良いといわれています。いわゆるスポーツドリンクでも7%程度の糖分が入っていますので、ジュースやコーヒーなどは避け、できるだけ水に近いものを摂取しましょう。

夏の特製ドリンク 夏の暑い水分補給に、ほんのりと甘酸っぱいおすすめドリンク。水とハチミツとお酢を混ぜるだけの簡単さです。カラダも気分もすっきり爽やか。よく冷やしてお飲みください。栄養管理士 松尾みゆき ●水…200ml ●ハチミツ…小さじ2杯 ●お酢…小さじ2杯

こころの健康 「気力の低下」には、良質な睡眠を! からだの疲れは、こころの疲れ。まずは基本的な生活リズムをきちんと整えましょう。 精神科医 メディカル&ライフサポートコーチ 研究会代表 奥田弘美先生 わかりやすく実践的な心のケア法を執筆や講演にて提案。近著は「心を元気にする処方せん」(保健同人社)、「自分の体をお世話しよう〜子供と育てるセルフケアの心〜」(ぎょうせい)など

からだの疲れは、こころの疲れ。
まずは基本的な生活リズムをきちんと整えましょう。

・睡眠が、6時間以下になることもある ・寝る前に、テレビやインターネット、電話などをすることがある ・夜更かしすると翌朝10時すぎまで寝てしまう ・夜、コーヒーを飲む習慣がある ・寝つく前にアルコールを摂取することがある 「なんとなくからだも心もだるくて、やる気が起きない」ということはありませんか?
年齢を重ねるにつれて、体力が低下すると、気力も同じように減退してしまう原因に。こころの健康は、からだの健康とつながっているのです。30代以降の方は、若い人よりもさらに、バランスのよい食事と十分な睡眠が不可欠です。特に夏場は寝苦しく、眠りが浅くなっている人が多い時期。まずは毎日、良質な睡眠をとれているかチェックしてみましょう。
1つでもあてはまる人は、要注意。
睡眠が足りないと、日中頭がぼんやりとして、憂うつになることがありますよね。これは、脳疲労がたまっている状態。深夜まで仕事やテレビ、食事などで活動していると、脳のメンテナンスが上手に働きません。最低6時間は、ぐっすりと眠るように心がけましょう。

からだの健康 急激な「冷え」にはご注意を! 夏場の冷えは、秋冬に不調をきたす原因になりがち。早めのケアを取り入れましょう。 メンタルケアスペシャリスト パーソナルトレーナー 峯岸道子さん ヨガスタジオ「Body&Mind Yoga」を主催する、人気のヨガ指導者。エクササイズとして効果的なスタイルのヨガも開発し指導と普及に努めている。

へその周りや太もものつけね(そけい部)をあたためる。 暑い季節は、ついつい冷たい風にあたりたくなりがちですが、体の冷やしすぎは、「だるさ」「食欲減退」「胃腸機能の低下」など、不調の原因となってしまいます。また、電車やオフィスなど、どうしても冷房にあたらなければいけないケースも増える季節。事前に冷え予防を取り入れて、体調管理を心がけましょう。

ストールで冷え対策
関節に強い冷房があたると、冷えが蓄積しやすくなります。電車やオフィスなど、冷房がきつい場所に行く場合は、ストールや大きめのスカーフを持参するのがポイント。手首やひじ、ひざ、足首などの関節周りを覆うだけで、ずっとラクになるはずです。
ひざ関節や足首などをおおう。冷えた体は、その日のうちに温感ケア
それでも冷えてしまった体をケアするには、リンパの中心となるへそ周りや太ももの付け根をじっくり温めるののが鍵。半身浴もおすすめですが、その時間がない場合は、電子レンジで温めるタイプに湯たんぽをあてておくだけでも、体に冷えが残りにくくなります。