季節の健康ドクターズアドバイス 夏を快適に過ごす「睡眠術」 東京医科大学睡眠学講座准教授 駒田陽子先生 早稲田大学大学修了、博士(人間科学)。睡眠と健康の関係について研究し、広く伝えている。「基礎講座睡眠改善学」(ゆまに書房)、「眠気の科学」(朝倉書店)等を分担執筆。

梅雨が明ければ、本格的な夏到来。気温・湿度が高くなる真夏には、寝苦しさから睡眠不足になってしまう人も多いのではないでしょうか。睡眠不足が続くと、「なんとなくだるい」「やる気が出ない」といった不調につながり、日中の活動に悪影響を与えてしまうことも。
よりよい睡眠のための環境作りを心がけて、快適に夏を乗り切りましょう。

温度・湿度を調整して寝付きやすい環境作りを

イメージ  快眠に適した室温は26度、湿度は50〜60%と言われています。
エアコンや扇風機を利用して、寝る前に寝室の環境を整えておく
と良いでしょう。とはいえ、電力不足が心配される今年の夏。
節電を目指すなら、水枕を利用して後頭部を冷やしながら寝る
のもひとつの方法です。

日中はカーテンをしめて室温を上げない工夫を

 寝室の温度を快適に整えるためには、日中カーテンを閉めておく
など、室内に熱気を溜め込まない工夫も大切です。
遮光カーテンなら、夜明けが早い夏の朝の安眠対策にもなり、
さらに効果的。ガーデニングなどを利用して、窓辺を緑で覆うのもおすすめです。

カフェイン+昼寝で夏の午後をスッキリ元気に

 暑くて日中元気が出ない。そんな時は20分程度の昼寝が効果的。ただし30分以上寝てしまうと、眠りが深くなってしまい、起きた後の効率が悪くなってしまうので要注意です。20分で起きられないという方は、昼寝前にコーヒーを。ちょうど起きる頃にカフェインが効き始め、すっきりと目覚められるでしょう。

睡眠マメ知識 @6時間では睡眠不足!? 「6時間睡眠を続けると仕事中のミスが増える」という調査結果も。個人差はあるものの、多くの人は7〜7.5時間の睡眠が必要と言われています。 A睡眠不足で肥満になる!? 睡眠が不足すると、食欲を高めるホルモン「グレリン」が大量に分泌され、逆に食欲を抑えるホルモン「レプチン」は減少。食べすぎから太りやすくなってしまいます。

こころの健康 「不安な気持ち」になったら食生活にもご用心! 「なんとなく毎日が不安…」そんな人が年々増えているそうです。不安に襲われた時は、食べ物・飲み物にも気を使ってみましょう。 精神科医 メディカル&ライフサポートコーチ 研究会代表 奥田弘美先生 わかりやすく実践的な心のケア法を執筆や講演にて提案。近著は「心を元気にする処方せん」(保健同人社)、「自分の体をお世話しよう〜子供と育てるセルフケアの心〜」(ぎょうせい)など

「なんとなく毎日が不安・・」そんな人が年々増えているそうです。不安に教われた時は、食べ物・飲み物にも気を使ってみましょう。

【憂うつなときの食生活のポイント】 ・緑黄色野菜・海藻類や良質のタンパク質をたっぷり摂る。 ・調理方法や味付けはシンプルに。素材そのものの味を楽しむ。 ・アルコールで紛らわそうとしない。 ・ケーキなど佐藤が多く含まれた食べ物を摂り過ぎない。 一度気になると、あれこれ嫌な想像が浮かんだり、悲観的な考え方になってしまったり。
漠然とした不安は、気付かないうちにどんどん膨らんでしまうから、注意が必要です。不安な気持ちに襲われた時は、食生活に気をつけるのも効果的な対処法のひとつ。健康に良いものを積極的に取り込むことで、満足感と安心感で心を満たしてあげましょう。
特に女性は、心が不安定になると甘いものに手が伸びる傾向が。多量の砂糖は一時的に血糖値を上げるので、一瞬不安が晴れたような気になるのですが、その後急激に血糖値が下がり、かえって脳が疲れてしまう結果になることも。心の憂うつが晴れてから適度に楽しむようにしましょう。

からだの健康 「肩甲骨」、動かしていますか? 肩甲骨は、肩や腕の動きに関係するとても大切な骨。動きを柔軟にしておけば肩コリの解消にも。積極的に動かしましょう。 メンタルケアスペシャリスト パーソナルトレーナー 峯岸道子さん ヨガスタジオ「Body&Mind Yoga」を主催する、人気のヨガ指導者。エクササイズとして効果的なスタイルのヨガも開発し指導と普及に努めている。

イメージ 年齢を重ねると、体が硬く動かしづらくなってくるもの。肩甲骨や背中の筋肉も、使わないと固まってしまいがちです。そのままにしていると、腕を動かせる範囲=可動域が狭くなり、老化や思わぬケガにつながってしまうことも。普段から体をほぐして、若々しい動きをキープしましょう。

今すぐ肩甲骨を動かしてみましょう。背中の肩甲骨を上げたり下げたり、締めたり、広げたり。なめらかに動きますか?動きがぎこちない、あまり動かない人というのは要注意!肩や首のコリのもととなりやすく、さらには背中のぜい肉もつきやすくなってしまいます。
普段から少しずつ意識!腕をまわす動きなどを生活に取り入れましょう。
肩甲骨は、日々の生活だけではなかなか使わない部分です。仕事や家事の合間に腕をぐるんぐるんと大きくまわす、歩く時に腕を大きく後ろへ振ってみるなど、普段から少しずつ意識して動かしましょう。物をとる時にわざと腕を後ろに動かすような格好でとってみるのも良いですね。