季節の健康ドクターズアドバイス 毎日を快適に過ごすための目の健康 井上眼科病院名誉院長 若倉雅登先生 北里大学助教授を経て02年現病院院長、12年から現職。「目の異常、そのとき」や「健康は眼にきけ」など著書多数。また近著「高津川 日本初の女性眼科医右田アサ」は女性応援小説と好評。

だんだんと冷え込みが激しくなるこの季節は、同時に空気の乾燥が進む季節でもあります。
このような時期に、体の中でもトラブルが出やすいのが「目」。目が疲れやすい、ゴロゴロする、視界がかすむなどの症状を放っておくと、目の機能低下だけでなく、頭痛や肩こり、全身の不調につながることも。
トラブルの出やすいこの季節こそ、正しいケアや目の使い方をよく知り、目の健康について考えましょう。

「疲れ目」に陥っていませんか?

イメージ  一日中、本を読んでいた日などには、目の疲れを感じやすくなり
ますが、大抵の場合は一晩寝れば治るもの。それでも取れない慢性
的な目の不調を感じている場合、それは「疲れ目」の可能性も。
パソコンや携帯電話などのモニターを長時間見ることはもちろん
ですが、その他にも、細かい作業や揺れる電車の中で文字を読む
など、日常のさまざまな要因によって「疲れ目」は起こります。
また、全身の健康状態やストレスなどが目に悪影響を与えることも。
まずは普段の生活を見直し、「疲れ目」になりやすい環境はないか
を考えてみましょう。

目をいたわることが大切

 細かい作業や読書を続ける時は、60分に1回、10分程度、目を休憩させるようにしましょう。そしてその際に効果的なのが、「目のキョロキョロ運動」。
まずは目をかたく閉じて、次に大きく見開き、頭を動かさず、目だけを使ってなるべく遠くをみながら上下左右をキョロキョロと見回します。これを2〜3回繰り返しましょう。
また、「疲れ目」には、蒸しタオルなどでまぶたを温めることも有効的。50度くらいのお湯にタオルを浸す、もしくは硬くしぼったタオルで電子レンジで1分前後温め、目を休憩させているあいだ、まぶたに乗せて目を閉じておきましょう。目まわりを温めることで血行が良くなり、疲れ目の解消に。

年齢とともに目も老化する

 目の不調の原因は、老眼である場合も。大抵の人が、50歳くらいから老眼の症状が出始めるといわれています。老眼は、年齢を重ねれば誰でもなるもの。
近くのものが見えづらい、本などを読んだあと、肩がこるなどの症状を感じたら、眼科を受診し、きちんと自分にあった老眼鏡を早めにつくるようにしましょう。
  • 目の不調チェック ・目が重い ・目がショボショボする ・本などを長時間読んでいられない ・文字がかすんで見える ・目が乾いた感じがする ・目やにがたくさん出る ←左記にいくつか当てはまる人は、目に何らかのトラブルを抱えている可能性があります。早めに眼科医に診てもらうことをおすすめします。

こころの健康 「変化」を一時ストップして、心の疲れを癒しましょう 嬉しい変化でも立て続けに起こると、心の疲労の元になる?! 精神科医 メディカル&ライフサポートコーチ 研究会代表 奥田弘美先生 わかりやすく実践的な心のケア法を執筆や講演にて提案。近著には『心を元気にする処方せん』(保健同人社)、『自分の体のお世話をしよう〜子供と育てるセルフケアの心〜』(ぎょうせい)など

嬉しい変化でも立て続けに起こると、心の疲労の元になる?!

楽しかったお祭りや旅行、わくわくしたイベントの後など、何だか脱力して、ボーッとすることはありませんか?
それは、あなたの心が「日常と違う」変化に戸惑っているから。通常、人間の体は、血圧や脈拍も一定、体温やホルモン周期も一定と、とにかく「同じ」であることを好みます。
そして何らかの変化が起これば、たちまち体(脳)がそれに反応し、普段よりもエネルギーを使って、できるだけ早くその変化に馴染もうとするのです。
そしてそれは、悲しいことや悔しい変化だけでなく、入学や就職、昇進や新しい人間関係などの嬉しい変化でも同じこと。
心が疲れているときは、すでにエネルギーを消耗しています。そんなときに日常の生活リズムに変化を与えると、余計の心を疲れさせてしまうことになりかねません。
無理に予定を組んでどこかへ出かけたりするよりも、まずは心のエネルギーを充電することが大切。どんなに楽しそう、気分転換になりそうと思っても、生活リズムを一定に維持することを優先しましょう。
そして、もし、何か気分転換するとしたり、散歩や自宅でゆっくり読書をするなど、心身ともに負担のないもので、疲れた心をゆっくり休ませると良いでしょう。

からだの健康 「首」の筋肉をほぐしてリラックス 首にかかる負担を軽くしてコリを予防しましょう。 メンタルケアスペシャリスト パーソナルトレーナー 峯岸道子さん ヨガスタジオ「Body&Mind Yoga」を主催する、人気のヨガ指導者。エクササイズとして効果的なスタイルのヨガも開発し指導と普及に努めている。

頭の重さは約5s。わたしたちは、常にこの重みを首だけで支えています。
これだけでも首にはかなりの負担がかかっていますが、最近はパソコンなどの普及によって余計に負担がかかり、首のコリに悩まされている方が増えているようです。
これを放っておくと、首をささえている周辺筋肉の血流が悪くなり、慢性的な首や肩のこりだけでなく、頭痛やめまい、眼精疲労などの症状につながってしまうことも。
また、首は体を正常に働かせる神経がたくさん通っている場所でもあるため、首のコリから平衡感覚のズレを起こしてしまうという例もめずらしくありません。
そのようなことを防ぐために、日頃のあいた時間に簡単なストレッチを取り入れて、重さでこった首をほぐしましょう。
  • 首の筋肉を楽にするストレッチ 各ポーズ、力を抜いて約15秒を目安に行いましょう。@楽な姿勢で座り、指を頭の後ろで組む。→ひじを寄せるようにして頭を前に倒し、背中が丸まらないように、首の後ろだけを引っ張ることをイメージ。 A楽な姿勢で座り、リラックス。頭の重さを利用して、首を左にゆっくり倒す。→左手で耳の上を軽くおさえ、首すじをのばす。右肩をグッと落とすように意識すると、さらにのびを感じる。反対側も同じように。