季節のドクターズアドバイス 寒い季節も上手なケアできれいな肌に「皮膚トラブル」を防ぐスキンケア 私のクリニック目白 院長 平田雅子先生 専門は皮膚科。民間としては日本で初めて、複数の女性専門外来を有するクリニック「私のクリニック目白」を開業。時間をかけて話を聞く診療に定評があり、メディアにも多数出演。

気温が低く乾燥するこの季節は、肌にとっては1年で最もシビア。
気候だから仕方がないと放置しがちですが、かゆみによるストレスや、掻きすぎて炎症に発展するなど、
日常生活に支障をきたす原因になります。
そこで今号は、皮膚科認定専門医であり、民間として日本初の複数の女性専門外来クリニックを開業した
平田雅子先生監修のもと、肌トラブルの基礎知識や実践していきたい対策を紹介します。

乾燥した肌はかゆみや
シワの原因にも

乾燥肌チェックリスト ・無意識のうちに皮膚を掻いている ・紙やスーパーのレジ袋がめくりにくい ・肌に白く粉が吹いている ・色の濃い服を着ると、皮膚のカスが付着しているのがわかる ・暖房の効いた室内で長時間過ごすことが多い ・洗顔後や入浴後、肌のつっぱりを感じる 角質層と皮脂膜を守って、乾燥などから肌を守りましょう  1年を通して空気が最も乾燥するこの季節、外気や暖房の風にさらされて、肌はカサカサな状態になりやすいもの。 肌の調子を考えると、湿度は60%をキープすることが理想的ですが、暖房により温められた室内の湿度は30%以下ということがほとんどです。
 そもそも潤いのある健康な肌の表面は、キメの整った角質層がきれいに整列しており、皮脂膜という汗と皮脂が混ざり合ってできた 天然の保湿クリームによって、皮膚をバリアしています。ですが、乾燥すると角質層がめくれ上がり、皮脂も不足して肌の潤いが奪われていきます。
 そのため、外からの刺激に対して無防備になり、肌荒れによるかゆみや痛みである肌トラブルが起こります。 さらに、肌の乾燥にともない、シワやたるみなどの肌老化も進んでしまいます。

洗顔と水分補給で
肌の潤いを守る

お肌の乾燥の対処方法 @洗顔はお湯ではなく、肌本来の潤いを保つため水で行うのがよいでしょう。 Aお風呂の温度は38〜39℃にとどめ、入浴後はボディクリームなどを全身にくまなく塗って保湿しましょう。 B体内にきちんと水分を取り込むために、水分補給をこまめに行いましょう。  乾燥に負けない肌をつくるには、角質層と皮脂膜を守ることが肝心です。
 まず、洗顔は肌本来の潤いを保つために水で行うこと。寒いとお湯を使いがちですが、お湯は皮脂や角質細胞間の皮脂を流してしまいます。
また、洗顔料での洗顔も皮脂を落とし過ぎる原因となるので、洗顔料を使う場合は1日1回程度にしましょう。
 次に、乾燥を防ぐには入浴の仕方にも気をつけましょう。お風呂の温度は38〜39℃にとどめ、皮膚がふやけて角質層が取れるのを防ぐため、 長湯はしないのがおすすめです。入浴後は、体に湿り気があるうちにボディクリームやローションを塗って十分に保湿をすると効果的です。
 最後に、水分補給で体の内側から潤いを保つこと。乾燥にともなう顔のたるみは外側からのケアも大事ですが、体内にきちんと水分を取り込んで 細胞に水を戻すことが大切です。水分をたくさん取るとむくむと言われますがそれは誤解。むくみの原因は、冷えや運動不足、水分不足によって起こります。
 寒い季節の肌の悩みは多いですが、肌の役割を知って、正しいスキンケアで、乾燥やかゆみから肌を守りましょう。