季節のドクターズアドバイス 睡眠・食事・筋肉ほぐしで疲れにくい体に 監修者 今野裕之氏 ブレインケアクリニック院長 日本大学医学部卒業、専門は、精神科・心療内科、精神医学やアンチエイジングに関する豊富な臨床経験をもとに、治療に当たる。現在、ブレインケアクリニックにて、心身のトータルアンチエイジングケアや認知症予防治療などを行う

疲れがたまりやすい
季節の変わり目


 春から夏へと季節が移り変わるこの時期、疲れがたまりやすい、体調を崩しやすいと感じる方も多いのではないでしょうか。季節の変わり目は、気温や天候が変わりやすく、その変化に体がついていこうとして体調を崩しがちです。
 また、4月からの新生活に適応しようと頑張った疲れが、慌しさがひと段落するこの時期に現れます。毎日をいきいきと過ごすためには、疲れをとることが大切。そのためには「睡眠」「食事」「筋肉ほぐし」がポイントです。
「睡眠」は、体や脳の疲れをとることができます。しかし、イライラしていたり体がこわばっていると、眠っても疲れがとれません。より良く眠るために、入浴で血の巡りを良くしたり、ホットミルクを飲んでリラックスするなどしましょう。

★より良い睡眠をとるための生活のコツ @ホットミルクを飲む 温かいミルクを飲んでホッとひと息つくと、リラックスできます。リラックスした状態で眠ると、しっかりと体や頭を休めることができ、翌朝すっきり目覚めることができます。 A入浴で全身を温める 熱すぎるお湯はかえって目が覚めてしまいます。寝る30分前までに、38度くらいのぬるめのお湯に10分程度ゆったりとつかりましょう。全身の血流がよくなって体が温まり、疲れやだるさが解消されて、夜ぐっすり眠ることができます。 Bツボ押しで神経を落ち着かせる 頭が冴えてしまい、眠れない時におすすめのツボは、両足のかかとの真ん中にある「失眠穴」。高ぶった神経を落ち着かせて、眠気を誘います。1回3〜5秒を20回ほどくり返しましょう。

食事と筋肉ほぐしで
疲労回復を促す


 「食事」は、疲れた体を回復するための栄養を得るために重要です。栄養バランスの整った食事をして、体の不調をとりましょう。また、疲労回復を促す栄養素を摂ることも重要です。ビタミンB群は、疲労をとるのに大切な代謝に関わる働きをするので、疲れを感じた時に積極的に摂りましょう。
 ビタミンCやEは、体に悪影響を及ぼす活性酸素を減らし、免疫力を高めます。下図の食品を参考にメニューを考えてみましょう。
 「筋肉ほぐし」は、体の緊張を緩めて血行を良くし、代謝を促して疲れをとる効果があるので、ストレッチやヨガなどで、全身をほぐしましょう。心地良い温度の部屋で、深呼吸をしながら行います。筋肉をゆっくりと伸ばすイメージで、気持ち良いと感じるくらいの強さがベストです。
 

★食事の栄養バランスで疲労回復 @ビタミンB1 糖質がエネルギーに変わる手助けをします(大豆・豚肉) AビタミンB2 脂質の代謝を促したり、体に有害な物質を取り除く働きがあります。(レバー・卵) BビタミンB6 たんぱく質や脂質の代謝に関係します。(カツオ・ニンニク) ビタミンB12 腰痛や肩こりを軽減する働きがあります。(しじみ・のり) DビタミンC 動脈硬化やがんなどの原因となる活性酸素を除く働きをします。(レモン・アセロラ) EビタミンE 血管を広げて血流を良くする効果が期待されています。(かぼちゃ・アーモンド)