減塩で高血圧をセルフコントロール|健康のドクターズアドバイス|伊藤園の公式通販「健康体」

Vol9減塩で高血圧をセルフコントロール バランスのいい食生活が減塩の第一歩 無理せず賢く減塩しましょう

高血圧は
生活習慣病の代表格

 「塩味がしっかりしていないと物足りない」「ラーメンやそばのつゆは全部飲む」「インスタント食品や加工食品を食べる機会が多い」「外食が多い」……。当てはまる項目が多い人は要注意です。気付かないうちに、高血圧が進行しているかもしれません。
 高血圧はほとんどの場合、自覚症状がなく、ある日突然、脳梗塞や脳出血などで現れるという恐ろしいもの。長期間、高い圧力が血管壁にかかると、血管壁は硬く厚くなり、やがて血管が細くなって、ついには血管が詰まったり破れたりして、心疾患や脳血管疾患を引き起こします。日本人の死因の第1位はがんですが、2位と3位は心疾患と脳血管疾患。高血圧は私たちにとって、とても身近な存在です。
 事実、統計によると、予備軍まで合わせると5490万人もの人が高血圧とか。
 これには運動不足や喫煙、過剰なアルコール摂取、ストレスなどが深く関係していると言われています。また、最近では冒頭に挙げたような外食などの食習慣で塩分を摂り過ぎている場合が多いのです。
 「まだ高血圧じゃないから」と油断しないでください。現在健康な人でも塩分の摂り過ぎは禁物です。普段から食生活を見直して「減塩」し、積極的に血圧をコントロールしましょう。

調味料や調理法で
減塩にチャレンジ

賢い減塩方法 ・みそ汁やスープはだしを効かせる、具を多くする。 ・調味料は減塩しょうゆ、天然塩などを活用。 ・ハーブやスパイスを利用し味にアクセントを付ける。 ・あんかけ、たれ焼きで舌に味を残す。  厚生労働省によると、1日の塩分の目安量は成人男性で10g未満、女性で8g未満です。しかし、現在の平均摂取量は11・2gで、約6割の人が目標値を超えています。まずは塩分の多い加工食品や塩蔵類をなるべく避け、しょうゆやみそなども控えめにして薄味にすることから始めましょう。 しかし単に塩分を減らすだけでは、味に飽きたりして続かないものです。減塩しょうゆやだし割りしょうゆを利用するのもよいですし、例えば焼き魚にしょうゆではなくレモン汁をかける、みそ汁はだしを濃くしてうま味を増やすなど、「塩分の代わり」をプラスするだけでおいしさは格段にアップします。酢や柑橘類、香味野菜、香辛料、ハーブなどを使えば香りや酸味でアクセントが付きますし、ごまやナッツ類を使えばコクが出ます。あんかけにしたり食べる直前に調味料をかけたりして、舌が味を感じやすいようにするのも手です。
 また、通常の味付けの料理を一皿、少しだけ用意するのも満足感を高め、減塩を長続きさせるコツです。

余分なナトリウムを
追い出すカリウム

●カリウムを多く含む食品● 【海藻類】 刻み昆布(10g)…820mg 利尻昆布(10g)…530mg 岩のり(10g)…450mg ひじき・乾(10g)…440mg 干のり(10g)…310mg 【野菜類】 ほうれんそう(50g)…345mg モロヘイヤ(50g)…265mg 小松菜(50g)…250mg 芽キャベツ(5個40g)…244mg そら豆(50g)…220mg セロリ(50g)…205mg トマト(50g)…105mg 【いも類】 さといも(80g)…512mg さつまいも(100g)…470mg やまといも(50g)…295mg 長いも(50g)…215mg 【果実類】 アボカド(1/2個100g)…720mg バナナ(1本160g)…576mg 柿(1個200g)…340mg キウイ(1個100g)…290mg  逆に、積極的に摂りたい成分もあります。それは、体内の塩分(ナトリウム)を排出してくれる「カリウム」。ナトリウムの約3分の1の量を摂取するのが理想ですが、摂取量は不足気味です。
 カリウムは、海藻や緑色の野菜、いも類などに豊富です。熱や水に弱いため、煮汁も一緒にいただくなどの工夫をしましょう。バナナなどの果物なら生で食べられるので効率的です。また、どうせ塩を使うならカリウムを含む自然塩がおすすめです。米や小麦、砂糖も未精製のほうがカリウムが豊富。毎日の食事に上手に摂り入れたいものです。ただし、腎臓の機能が低下している人は、カリウムの摂取は控えてください。
 意識しなければなかなか実現できない減塩ですが、それがストレスになったりしては逆効果。食べる喜びを感じながら、マイペースに、楽しい減塩ライフを送りましょう。

ナトリウムを排出してくれるカリウム。1日3500mgを目標にしましょう。