昔に比べ現代人は
歩かなくなった?
徒歩以外、馬や駕籠ぐらいしか交通手段がなかった江戸時代の人々は、1日1万歩以上は簡単に歩いていたといわれます。一方、車や電車などが発達した現代社会に生きる私たちの1日の平均歩数は、男性が約7300歩、女性はさらに少なく約6300歩にすぎません(厚生労働省「2007年国民健康・栄養調査」)。現代人の運動不足の第一の理由は、“歩かなくなったため”といっても過言ではないでしょう。
足は心臓から最も遠いところにあるため、心臓のポンプだけで足に運ばれた血液を心臓まで戻すのは困難です。それを助けるのが“歩く”という行為(ウォーキング)。歩くことで足の筋肉が収縮・弛緩を繰り返し、足の静脈の血液の流れを促進します。足が第二の心臓と呼ばれるゆえんです。そのほか、脂肪を燃やして肥満解消に役立つ、骨密度の低下を防ぐ、脳を刺激して活性化させるなどウォーキングにはさまざまな効果があります。
ウォーキングは手軽に
できる有酸素運動
ウォーキングは体の中に酸素を取り込みながら行う有酸素運動の代表格。いつでもどこでも気軽にでき、しかも体への負担も少ないので幅広い年齢の方におすすめです。
ただし、のんびり歩いていてはあまり効果がありません。また、悪い歩き方をすると余計に足や腰などを痛めることに。正しいフォームで、さっそうと歩きましょう。
爽やかな気候の秋は
どんどん歩いて健康に
ウォーキングの効果は長く続けてこそ現れます。それにはまず、エレベーターやエスカレーターに乗らずに階段を使う、近い距離ならバスや車などに乗らずに歩くといったように、日常生活の中にウォーキングを上手に組み込むとよいでしょう。これだけでもずいぶん歩数をアップさせることができます。
最近はゲーム要素のある歩数計がたくさん出ているので、それらを活用するのも手です。暑すぎず、寒すぎずの今の季節は散策するのにぴったり。民家や道端の草花、公園の紅葉を眺めながら歩けば秋を満喫できることでしょう。また、好きな作家のゆかりある場所を訪ねたり、史跡を巡ったりとテーマを持って歩けばちょっとした旅気分も味わえます。カメラやスケッチブックを持って歩き、あとで「散歩日記」をつけてみるのもよいかもしれません。
友達に声をかけてウォーキング仲間をつくるのも継続するコツのひとつ。しゃべりながら歩けばストレス解消にもつながるに違いありません。
さあ、今日から歩く機会を大いに増やして、健康ウォーキングを楽しみましょう。