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慶應義塾大学
看護医療学部教授
加藤眞三
1980年、慶應義塾大学医学部卒業。同大学院修了。米国マウントサイナイ医学部研究員、都立広尾病院内科医長、内視鏡科科長、慶應義塾大学医学部消化器内科講師を経て、2005年より現職。著書に『患者の力』(春秋社)などがある。毎月、公開講座「患者学」を開催している。
病気を治すために必要なのは、患者さん自身が持っている力。そんな「患者学」を提唱している加藤眞三教授に、健康維持に必要なことをうかがいました。
感染症など急性の病気が多かった時代は、病気になると医師の診断に従って治療するのが一般的でした。薬を飲むにしても、手術を受けるにしても、医師の言うことを忠実に守ることが「良い患者」だったのです。
ところが、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病が増えている今、治療の場は病院の中だけとは限らなくなりました。むしろ普段の生活を通じて、患者さん本人がいかに病気と向き合い、健康を保つ努力をするかが重要になってきたわけです。
そこで求められているのは、私たち医者と患者さんが協力して治療にあたること。そのためには、互いにコミュニケーションを取り合い、病気そのものについてや、患者さんの現在の症状についての理解を深めていくことが大切になります。
「急にそんなことを言われてもどうすれば……」と、とまどう人もいるかもしれません。そんな人はまず、信頼できる「かかりつけ医」をみつけるところから始めてみるのはいかがでしょう。
自宅や職場の近くの通いやすい場所にあって、風邪や腹痛などで気軽に受診できる医療機関の中から、「この先生になら何でも話せる」という医師をみつけておくのです。いざというときには、その医師を通じて専門医を紹介してもらえば安心です。
また、日ごろから自分の健康状態を把握しておくのもおすすめです。不調のサインにいち早く気づくことができれば、早く治療を始めることができ、病気の重症化を防ぐことができます。
自分に合う「かかりつけ医」をみつけるためには、通いやすい医療機関をいくつか受診してみましょう。その際に、相談しやすいか、治療方針が自分と合うかなど、チェックしておくといいでしょう。
不調に早く気づくためには、血圧や心拍数、体重などを記録しておくのがおすすめです。日記や手帳でもいいのですが、身に付けておくと自動で計測し、スマホなどに記録してくれる「ウェアラブル端末」も便利です。