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伊藤園「健康体」の野菜飲料に使用する野菜の中で特にこだわりのあるにんじん。
にんじんは、その甘みが野菜飲料で重要な味の主体となり、さらに栄養もたっぷり含まれます。だからこそ、ふだん食べるにんじんではなく、野菜飲料になったときに一番輝けるにんじんを捜し求め、たどり着いたのが「朱衣(しゅい)」でした。2006年から本格的に栽培を開始してからも尚、新発見のある魅力的な「朱衣」についてご紹介します。
【目次】
朱衣とは、50種類以上のにんじんの中から選びぬいた特別な伊藤園専用にんじんです。私たちが理想とする野菜飲料になくてはならない大切なにんじんです。
1990年代、野菜飲料の盛り上がりと共に懸念されたのが、野菜に含まれる成分についてでした。そこで、当時伊藤園の野菜飲料で主体となっていたにんじんについて、健康価値が高いにんじんを使用することを目指し、品種選びを始めました。それにあわせて、当時の伊藤園が使用していたにんじんよりも安心・安全で、よりおいしい素材を探すべく、
の3通りの方向から、比較評価することになりました。
当時担当部署の農業技術部課長の佐藤は、一年中、国内外の品種の比較評価を行っていました。毎週のように試験場に行き、朝晩にんじんを収穫し、洗って絞って飲んで分析評価して・・・と、流通しているにんじんほとんどを自分で手で洗って絞って飲んだそうです。
また、どんなに健康面で優れていても、おいしくなければ意味がありません。野菜飲料で使用するために、ピューレにした状態で、いかにおいしいかというのも重要で、合計で50種類以上の品種を比較評価しました。
ただし、単純に50種類が比較できたわけではありません。同じ品種のにんじんでも、栽培する条件によって品質が異なってくるのです。栽培する場所、収穫時の天候、堆肥や肥料の種類で、品質は変化します。より良い品質のにんじんを選ぶには、さまざまな条件で比較評価しなくてはなりません。また、良い結果が出ても時期を変えたら違う結果になることもあり、そこには大変苦労したそうです。
そんななか、条件を変えても、品質が安定していたのが「朱衣」でした。また、この品種には大きな特徴がありました。一般のにんじんに比べ、もともとβ-カロテンの含有量が高く、さらにゆでる際に出る「アク」も少なかったのです。これらのデータを踏まえ、糖度が高く、もっともβ-カロテンの含有量が多かった「朱衣」が「品種選抜」されたのです。
そして2006年、ようやく本格的に栽培を開始し、2007年から伊藤園専用のにんじんとして、宮崎県をはじめ、南九州の契約農家で栽培されるようになりました。現在では、南九州のみならず、北海道や海外などでも栽培され、伊藤園の野菜飲料に使用しています。
野菜飲料のためにうまれた 伊藤園専用にんじん「朱衣」
(動画再生1分35秒)
2007年、50種類以上の品種の中から選抜されたにんじんを伊藤園専用として大切に育んでいくために、新聞などでネーミングを一般募集しました。その結果、10,488 件のご応募をいただき、その中から、佐賀県の小柳様からいただいた朱色の衣をまとっているという意味の「朱衣(しゅい)」に決定しました。
「朱衣」は、現在宮崎県をはじめとした南九州や北海道、海外でも栽培するなど栽培地域が広がっています。品質を保つためにも、伊藤園と多くの生産者様とがしっかりと連携し大切に育てています。
<農業技術部 課長佐藤>
「『朱衣』は時間をかけて、長く、大きくなる品種です。大地の栄養分を吸って、ゆっくりと甘さをたくわえていきます。農家さんには、じゅうぶんに成長させるために、深く耕した畑で、できるだけ早くタネを蒔いていただくようにお願いしています」
<宮崎県 朱衣生産者 右今様>
「通常のにんじんに比べて「朱衣」は、より下のほうに成長していきます。また、他のにんじんよりも1か月以上も時間をかけて成長させ、おいしさを蓄えます。いちばん気をつかうのは、種を蒔いてから発芽まで。種が小さいので芽が少し弱いんです。種を蒔く時期は、天気予報を見て決めます。ちょうど芽が出る頃に雨が降るタイミングを狙って、種を蒔いています」
朱衣は、一般のにんじんよりもβ-カロテンが豊富で、糖度が高くて甘いのが特徴です。野菜飲料にとても適しています。
「朱衣」と一般のにんじんの違いで一番わかりやすいのはその見た目です。「朱衣」は表面がごつごつしていて、長細く、断面にした際、中心部まで濃いオレンジ色なのが特徴です。この濃いオレンジ色が、緑黄色野菜などに含まれる色素成分の一つであるβ-カロテンです。β-カロテンは、体内では必要に応じてビタミンAに変換されて働く、健康や美容に役立つ成分です。
このβ-カロテン量を一般のにんじんと比較すると、約1.5倍朱衣のほうが多く含まれていることがわかっています。また、ゆでるとさらに鮮やかなオレンジ色となります。
「朱衣」は濃いオレンジ色の見た目からも想像ができるように、甘さの度合いを表す糖度も、一般的なにんじんに比べて1〜2度高いのが特徴です。また、茹でるとさらに甘くおいしくなります。
伊藤園では、よりお客様に喜ばれる野菜飲料を作るために、さらに栄養成分を追求していきたいと考えていました。
それは、
という思いがあるからです。そのため、栄養価の高い原料を使った飲料をお客様にお届けできるように、研究を重ねていく中で「朱衣」の健康価値について新たな発見をすることができました。それは、最近注目の成分「GABA」が朱衣にも多く含まれているということでした。 (2020年9月9日「2020年度 日本土壌肥料学会」にて発表)「GABA」とは、アミノ酸の一種で、正式名称を「γ-アミノ酪酸(Gamma Aminobutyric Acid)」といいます。私たち人間をはじめ、哺乳類の脳や脊髄などの中枢神経に多く存在していて、神経伝達物質として働いています。主に、発芽玄米やトマトなどの夏野菜に多く含まれているのですが、その「GABA」が一般のにんじんの2.5倍、トマトと同量以上含まれていることがわかりました。 β-カロテンだけでなく、GABAも豊富に含まれる「朱衣」。まだまだ見つけられていない魅力がありそうです。
「朱衣」は、にんじんそのものも甘くておいしいのですが、飲料にした際、その「素材のチカラ」が発揮できるよう、野菜飲料にする過程も研究し、よりおいしくなるような製法を用いています。
「朱衣」のおいしさや栄養をいかし、さらに高めるためにたどり着いた「ナチュラルスイート製法」。これは、にんじんをピューレにする過程で、
など、ちょっとしたことに見えますが、この手間をおしまず行うことで、にんじん本来の自然な甘みと鮮やかな色を引き出しています。
私たちの自慢の伊藤園専用にんじん「朱衣」。いつも飲む野菜飲料に使用されている「朱衣」がどんなものなのか、「朱衣」そのものを体験していただきたい、と2016年より伊藤園「健康体」会員のお客様を「朱衣」の畑にお招きし、実際に抜いたり、食べたりと体感していただいています。そんなお客様にも朱衣は大好評。「朱衣」の「甘さ」「おいしさ」についてうれしいお声をいただいています。