教えて、先生!
ポリフェノールって何?

健康に良いとされる「ポリフェノール」は、赤ワインやコーヒー、そしてお茶などに含まれる“渋み”成分の総称です。どんな効果があるのか、また、どのように摂取すればいいのか、専門家に伺いました。

お茶の水女子大学 名誉教授<br />日本栄養・食糧学会 顧問 近藤和雄(こんどう かずお)

お茶の水女子大学 名誉教授
日本栄養・食糧学会 顧問

近藤和雄(こんどう かずお)

1979年 東京慈恵会医科大学卒業。医学博士。ベイカー医学研究所訪問研究員、防衛医科大学校病院講師、国立健康・栄養研究所 臨床栄養指導研究室長、お茶の水女子大学教授、東洋大学教授。ポリフェノール研究の第一人者としても活躍している。

渋みや苦みの成分が抗酸化作用を持つ

──お茶の味わいといえば、“渋み”をイメージしますが、この渋みがポリフェノールだというのは本当ですか?

 お茶の渋みというと「カテキン」ですが、実はこれ、ポリフェノールそのものなのです。ポリフェノールとは、植物が持っている渋みや苦みの成分で、赤ワインに多く含まれていることが知られていますが、お茶のカテキンのほか、コーヒーのクロロゲン酸など、ポリフェノールには、8000以上もの種類があると言われています。

教えて1 ポリフェノールは何に含まれているの?

野菜や果物、それらから作られる
飲料や加工品に多く含まれています。

  • 野菜や果物、それらから作られる飲料や加工品に多く含まれています。

私たちが食べている野菜や果物には、さまざまな種類のポリフェノールが含まれています。ただ、その多くは皮や種に含まれているため、飲料や加工品にしたほうが効率良く摂取できます。

※( )は、主なポリフェノールの種類の名前です。

──ポリフェノールは健康に良いというイメージがありますが、1日、どれくらいの量を摂ればいいのでしょうか?

 ポリフェノールが持つ抗酸化作用は、体内に生じた活性酸素を吸収して取り除いたり、活性酸素によって傷つけられた組織を修復したり、私たちの健康に大きな影響を及ぼします。

 摂取量については、まだ研究段階で、はっきりとした数値は出ていませんが、1日1000mgを目安に摂れば、何らかの効果が期待できると考えられています。

教えて2 ポリフェノールにはどんな効果があるの?

体内の活性酸素を取り除くなどして、
細胞の酸化を抑えます。

  • 体内の活性酸素を取り除くなどして、細胞の酸化を抑えます。

本来、体内では活性酸素の発生と抗酸化能力のバランスが取れていますが、紫外線や喫煙、酸化された食品の摂取などでそのバランスが崩れてしまいます。それを助けてくれるのが抗酸化作用のあるポリフェノール。活性酸素を吸収して取り除き、また、活性酸素によって傷つけられた組織を修復することで細胞の酸化を抑えます。

おいしく健康になれる「お茶を飲む習慣」

──1日1000mgのポリフェノールを摂るには、何をどのくらい摂取すればいいですか?

 ポリフェノールは主に、取り除きがちな野菜・果物の皮や種に含まれているので、それだけの量を野菜や果物から摂るのはなかなか大変です。でも、コーヒーやお茶などの飲み物からなら簡単に摂ることができます。例えば緑茶には100mlあたり115mgのポリフェノールが含まれているので、1日に大きめの湯飲みで5杯ほど飲めばいいでしょう。

 血液中のポリフェノールは摂取後4時間程度で消えてしまうため、1日3回食事とともに、さらに10時と15時の“おやつ”の時間にお茶を飲めば、効率よくポリフェノールが摂れます。

教えて3 1日の摂取量は?

1000rが目安。
食事時や休憩時のお茶でも摂取できます。

  • 1000rが目安。食事時や休憩時のお茶でも摂取できます。

ポリフェノールは摂取して2時間ほどで体内での濃度が高まり、4時間ほどで消えてしまうので、3〜4時間おきくらいに、お茶などポリフェノールが含まれる飲料をこまめに飲むのがおすすめです。

──昔の人はお茶が健康に良いから飲んでいたのでしょうか?

 お茶は嗜好品ですから、健康のためだけに飲んでいたわけではないでしょう。ただ、お茶に限らず赤ワインやコーヒーなど、渋みがあるにもかかわらず、昔から多くの人に好まれていることを考えると、渋みや苦みが体に良いということを私たちの体は知っているのかもしれません。しかも、それらをおいしいと思うようになるのは大人になってから。人間が持っている抗酸化能力は年齢とともに衰えるので、健康を保つために渋みの元、ポリフェノールを欲するようになると考えられなくもないですね。

 幸い、お茶はアルコール成分も砂糖も入っていないうえ、手軽に手に入ります。渋みや苦みをおいしく味わいながら、健康になれる「お茶を飲む習慣」を実践してみてはいかがでしょうか。