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夏は冷房で体が冷えたり、寝苦しくて寝不足になったり、 病気でもないのに、不調を感じる人が多くなります。 そんな「夏バテ」を防ぎ、元気に過ごすための生活習慣を、 自然治癒力を重視した「統合医療」の第一人者、 川嶋 朗先生に教えていただきました。
神奈川歯科大学大学院
統合医療学講座 特任教授
統合医療SDMクリニック院長
川嶋 朗 (かわしま あきら)先生
北海道大学医学部医学科卒業。東京女子医科大学大学院医学研究科修了。医学博士。ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院留学、東京女子医科大学などを経て、2022年より現職。自然治癒力を重視し、近代西洋医学と補完・代替医療を統合した医療の実践を日本の医科大学で初めて立ち上げ、現在も日本の医療系の大学の教育・臨床・研究の現場に立っている。
当てはまるものが4〜6個ある人は、生活習慣を見直して夏バテ予防を。7個以上の人は夏バテです。以下「夏バテを防ぐ6つの生活習慣」などの対策を実践しましょう。
冷房の効いた屋内と暑い屋外では温度差が激しく、体温調節でエネルギーを消耗し、体温調節を担う自律神経もバランスを崩してしまいます。
私たち人間は恒温動物なので、体温を維持するために熱を作ったり放出したりして、体温調節を行っています。暑い夏はただでさえ体温調節に相当なエネルギーを使うのに、冷房の効いた屋内と屋外の温度差が激しいうえ、冷房が体を冷やすので熱も作らなくてはいけません。すると、ほかのことにエネルギーを使う余裕がなくなり、疲れが取れなかったり、胃腸の働きが悪くなって食欲が低下したり「夏バテ」へと向かってしまうのです。
また、この体温調節を担う自律神経にも影響が出ます。自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、交互に切り替わることで心身を安定させています。暑いときに汗をかいて体温を下げるのも、寒いときに熱を作って体温を上げるのも交感神経の働きですが、温度差の激しい環境を行ったり来たりしていると、交感神経ばかりが優位な状態に。すると、自律神経のバランスが崩れ、さまざまな不調を招くのです。
それでも体力があれば夏バテになりにくいのですが、現代人の多くは座り仕事で移動手段も便利になり、運動不足気味。基礎体力が衰えているために、夏バテを生み出しているともいえます。
夏バテの原因はほかにもあり、冷えや紫外線もそのひとつ。暑いからといって冷房を強くしたり、冷たいものを飲んだりすると、冷え過ぎてかえって体の負担になります。また、夏は紫外線の量が増えるため、日に当たることで疲労物質も発生します。
冷やすことは熱中症対策に、紫外線はビタミンDの生成のために必要ですが、体を冷やし過ぎたり、紫外線を浴び過ぎたりしないよう気をつけましょう。
夏バテの予防には何よりも体力をつけることが大事。そのためには、体を冷やさないことと、体の芯を温めること、適度な運動で筋肉をつけ、バランスの良い食事と休養を取ることが大切です。
夏バテ予防は、生活習慣を見直すことが大切。4週間ほど続けると、体に変化が現れてきます。紹介している対策を今からさっそく始めてみましょう!
冷房の効いたところでは、体を冷やさないことが大切。ノースリーブなど露出の多い服は避けて、着脱しやすい上着やストールなどを持ち歩きましょう。また、体を温めるために、夏でも使い捨てカイロや湯たんぽの利用をおすすめします。
筋肉をつけるためには、自分にとって少しきつめの運動に取り組みましょう。ウォーキングをする場合は、気温の高い日中は避けて、いつもの1.5倍のスピードで20分程度、大股で歩いてください。また、日常生活の中でも工夫すれば運動はできます。例えば、階段を使う、洗濯物を干すときにしゃがんで衣類を取る、家事をするときにつま先立ちをするといった「ながら運動」もおすすめです。ダイエット用のスリッパを利用してもいいですね。
元気な人は冷たい飲み物を取っても問題ないのですが、夏バテ気味の人にはよくありません。体を冷やさないために、4度以下の飲み物は避けて、水なども常温のものを飲みましょう。それでも体調が戻らない人には、体温以上の温かい飲み物がおすすめです。
食事はよくかむことをおすすめしています。かむことで口の筋肉からの刺激が脳に届き、分泌物によって内臓脂肪を燃焼させて体温を上げてくれます。また、夏は冷たい麺類を食べてしまいがちですが、あまりかまずに飲み込んでしまうと、内臓を冷やしてしまいます。そうめんよりにゅう麺、冷やし中華よりラーメンなど、温かい麺を選んで、よくかんで食べましょう。
入浴は38〜40度のお湯で20分程度の全身浴がおすすめ。半身浴は心臓に負担をかけない入浴法ですが、全身浴のほうが水圧がかかり、血流が良くなります。ぬるめのお湯にゆっくり浸かれば、副交感神経が優位になり、リラックスしてスムーズに睡眠に入れます。
夏は暑さで寝苦しく、睡眠不足になる人が多くなります。かといって、エアコンで冷やし過ぎてもいけません。できればエアコンは28度以下にならないように設定し、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させるなどの工夫をしましょう。体を冷やさないようにしながら、自分が心地良く眠れる環境を作ることが大切です。
健康の3原則は、食と運動と休養です。既に夏バテになっている、あるいは夏バテ気味という人は、体力を温存しながら、できる対策から実践していきましょう。
まず、体を冷やさないこと。そして、食事や飲み物は冷たいものを避けて、体温よりも高いものを摂ってください。それでも症状が取れなければ食材にこだわりましょう。たんぱく質、ビタミン、ミネラルなど、必要な栄養素をバランス良く摂ることはもちろんですが、夏野菜など体を冷やすものは控えて、温度が高く熱をもらえるものを積極的に摂る。そうして体を内からも外からも温め、しっかりと睡眠を取りましょう。
夏バテの症状が出ていない人は、生活習慣を見直して、予防として対策に取り組んでください。なかでも運動は、熱を生み出す筋肉をつけるためにも大切です。
入浴についてもコツがあります。自律神経は40度を境に交感神経と副交感神経が入れ替わるので、40度以上のお湯で入浴すると交感神経が優位になってしまいます。すると、発汗してクールダウンしないと眠れなくなります。一方、ぬるめのお湯にゆっくり浸かれば、汗はあまりかきませんし、そのまますぐに眠ることができます。ぜひ、実践してみてください。
毎日続けていれば、4週間くらいで自律神経は正常化します。体力がついてくると、夏バテになりにくい体になれますよ。