血圧高めの方の運動方法 - 室内でできるスローウォーキングターン -

お天気や場所を選ばずに簡単にできる運動としておすすめなのが「スローウォーキングターン」です。この運動は、外で行うウォーキングとほぼ同じ強さの有酸素運動が実現できるため、血圧を下げる効果が期待できます。

〇室内でできるスローウォーキングターン

基本的には、呼吸が「鼻呼吸から口呼吸に切り替わるくらいの強さ」「息切れが発生する一歩手前」「軽く息が弾む」また「軽く汗ばむ」ような楽な状態からややきつい状態、でありつつ笑顔が保てて、会話ができる強さの「ニコニコペース®」がおすすめです。ただし、あまり体力のない方は、1分間に15回のウォーキングターンでも息が上がってくる可能性があります。そのような方は回数にこだわらずに、ご自身に適した運動強度を意識することをお勧めします。

  • ステップ1・・・直線で3メートル先まで早歩きします。
  • ステップ2・・・折り返してもとの位置に戻ります。

1分間に15回程度の折り返しを1セットとし、30〜60分間隔で1日に合計10〜15セットほど行ってください。

運動習慣がある方向けのウォーキング
  • <注意点>
  • ・靴下を履いたままや、滑って転ばない場所で行ってください。ターン(ひねり)動作が含まれますので、関節痛がある方や関節痛が発生した場合には痛みを助長させる恐れがありますので無理な運動は控えてください。
  • ・体力に自信のない方は、1分間に15回のウォーキングターンでも息切れが発生してくる可能性があります。その場合、回数にこだわらず、ご自身に適した運動強度を意識して歩くことから始めてください。
福岡大学西新病院 病院長福岡大学医学部心臓・血管内科学 主任教授三浦伸一郎

監修

三浦 伸一郎 (みうら しんいちろう)

福岡大学西新病院 病院長
福岡大学医学部心臓・血管内科学 主任教授

福岡大学医学部心臓・血管内科学主任教授。大学院生のとき、「高血圧患者さんへの運動療法における降圧メカニズム」を明らかにし、博士(医学)を取得。その後、米国に5年間留学し、血圧上昇に関わるアンジオテンシン受容体の研究に従事。帰国後、高血圧や脂質異常症の予防・治療法に注力を注ぎ、現在、心臓リハビリテーションの普及にも努め、心血管病の一次予防・二次予防に取り組んでいる。