血圧とは

 健康診断や病院で一度は計測したことがある血圧。
「上が135、下が85」「血圧が高めだから気をつけてください。」となどといわれることがあると思いますが、そもそも血圧とはどういったもので、数値は何を表しているのでしょうか。今回は、基本的な血圧についてとその基準について解説します。

1.そもそも血圧とは?

 血圧とは、心臓から全身に送り出された血液が血管の壁を押すときの圧力のことです。

血圧の仕組み

 血液は、体のすみずみまで酸素や栄養素を運んだり、感染防御や免疫、体温調節など人間にとって必須な役割を担っており、心臓が縮んだり広がったりすることで全身に流されていきます。この血液が、体に正常に流れているかどうかを判断できるのが「血圧」です。
 血圧の値は、心臓から押し出される血液の量(心拍出量)と、血管が収縮して血流が妨げられる血管抵抗、血管のしなやかさ(弾力)によって決まります。最近は少なくなりましたが、もともと水銀が血液を押し上げる量で測られていたことから、単位は mmHg(ミリメートル・ミリ水銀、またはエイチ・ジー)。Hg は水銀を示す記号で、 例えば、血圧 130mmHg は、「水銀を 130mm 押し上げる力」で血管に圧力をかけているということを表しています。

2.「上」と「下」の血圧とは

 「上」の血圧、「下」の血圧とは、最大血圧と最小血圧のことです。

上の血圧と下の血圧

 「上」の血圧は、最大血圧あるいは収縮期血圧といわれ、心臓が縮んで、短い時間で強い圧力がかかっており、圧力が最もかかっている状態のことです。一方、「下」の血圧は、最小血圧あるいは拡張期血圧といわれ、心臓が広がって休んではいるものの、ふくらんだ大動脈が元に戻り、ゆっくりと血液を先に送っている状態のことです。
「血圧が高め」などといわれるのは、「上」「下」のいずれかの血圧が基準より高いことをいいます。
「上」の血圧が高いほうが、心臓や血管へのリスクが高いということがわかってきていますが、どちらの血圧も重要です。また、「上」の血圧と「下」の血圧の差を「脈圧」といいます。
 一概には言えませんが、「上」「下」差が大きいほどよくないといわれ、高齢になるほどその傾向は高くなります。

3.血圧の数値

 正常域血圧は、「上」が140未満かつ「下」も90未満です。
両血圧共に基準値以下であれば正常です。ただし、正常域血圧の中でも「上」が130以上、「下」が85以上の場合は、正常高値血圧といい、血圧が高めといわれ、高血圧に移行しやすく、将来の心血管病を予防するために生活習慣の改善が必要です。

上の血圧と下の血圧

また、血圧はいつも一定ではありません。
朝か夜か、運動や食事の前後、家で測るか病院で測るか、など、環境により変化します。そのため、この数値は、座って安静にして測った際の基準となります。そして通常、病院に行くと緊張して血圧が上がることが多いため、基準自体も家で計った場合(家庭血圧)と病院で測った場合(診療室血圧)の2種類が設けられ、「5mmHg」家庭のほうが低くなるといわれています。病院と家庭での血圧に大きな差がある場合には、家庭血圧が優先されます。

監修

島本 和明

特定非営利活動法人 日本高血圧協会 理事長 

北海道小樽市出身。日本医療大学総長、札幌医科大学名誉教授。札幌医科大学第二内科教授、札幌医科大学附属病院長、札幌医科大学理事長・学長を歴任。 日本高血圧学会理事長、日本心臓病学会副理事長など、多くの学会で要職をつとめられ、現在も医学の更なる発展のために数多くの学会に精力的に参加。 北海道科学技術賞、日本高血圧学会栄誉賞、秋山財団賞など、他にも数多くの名誉ある賞を受賞。

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