Vol8慢性的な肩こりを解消する

生活習慣を見直して
肩こりを防ぐ

 肩こりは、外見からは体調が悪いようには見えないものですが、本人にとってはとても辛いものです。とくに年がら年中、慢性の肩こりに悩まされている人にとっては大問題。
 「この肩こり、何とかならないかなぁ」と、わが身が恨めしく思えるものです。
 肩こりは肩の周囲の筋肉が疲労したり、筋肉の中を流れる血流が滞り、老廃物がたまって起こる症状です。
 こうした肩こりは、毎日の生活習慣に原因がある場合が多いようです。運動不足で血行障害を起こしていたり、肩周辺の筋肉が衰えてしまっていたり、自分の日常生活を見直してみると、肩こりの原因をつくっている生活習慣が思い当たるはずです。肩こりに悩まされている人は一度、生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。生活習慣を変えることで、肩こりから解放されるかもしれません。

肩こりの一因は
普段の生活にある

あなたの日常生活をチェック!! ごろ寝でテレビを見る…ひじ枕は厳禁、じっとしていないで、姿勢を変えながらテレビ鑑賞を。 低い机でのデスクワーク…猫背になったり、肩に負担をかける原因に。イスの高さを調整するなどの工夫が必要。 重いショルダーバッグで歩く…リュックサックにしたり、中身を小分けして、2つバッグに分散して持つようにする。 うつぶせで読書…ひじをつっぱって肩に体重をかけるのはNG。イスかソファに座って読書を。  では、肩こりになりやすい日常生活をチェックしてみましょう。
 肩に直接負担をかけるようなことをしていませんか。重いパソコンや化粧品、資料などを詰め込んだ大きなバッグを持ち運んだり、重いショルダーバッグを肩から担ぐ行為は肩こりを招きやすくします。重い荷物はリュックサックで運ぶなどの対策を。
 また、姿勢も重要なポイントです。姿勢が悪いと、筋肉に負担をかけるとともに、血行を悪くします。ショーウィンドウに映った自分の歩く姿を見て、猫背になっていないかチェックしてみては?あごを引いて背筋をピンと伸ばすよう心がけましょう。
 うつぶせで読書をしたり、ごろ寝でテレビを見るなど、長時間同じ姿勢でいると、肩こりの原因に。できるだけ、ごろ寝はやめて、定期的に動くようにしましょう。このほか、寝るときには枕の高さ、材質などにも気を配るようにしましょう。高さは頭を乗せて5〜10センチが目安。高過ぎたり低過ぎたりすると、首や肩甲骨周辺の筋肉がこりやすくなります。適度な硬さのものを選びましょう。生活習慣のチェックが肩こり対策の基本です。

解消法を実践して
日常生活をアクティブに

肩こり解消法! ●ひじを伸ばす運動 5〜10回繰り返し行う 腕を上げないようにそのまま前に出す (1)腕を水平に上げて組み、息を吐きながらひじを伸ばす。 (2)手のひらを外側に向け、息を吐きながらひじを伸ばす。 ●首を横に曲げる運動 5〜10回繰り返し行う 反対側の肩を上げないように行う (1)正面に向いて力を抜き、右耳を右肩に付けるように首を曲げる。 (2)左耳を左肩に付けるように首を曲げる。 ●肩こりに効くつぼ 天柱(てんちゅう)…首の付け根で、2本ある太くて硬い筋肉の外側にあるつぼ。 肩外愈(けんがいゆ)…肩甲骨の内側にあるつぼ。 肩井(けんせい)…首の根元と肩先の中央にあるつぼ。  肩こり解消のポイントの1つは運動です。筋肉をほぐし、血行障害を防止する軽い運動を毎日の生活に取り入れましょう。あまり急に肩に負担のかかる運動は、かえって肩こりの原因になるので、最初は軽めに取りかかりましょう。イスに座って気軽にできるストレッチで筋肉を強化するのがおすすめです。ヨガやピラティスなどもよいでしょう。
 肩こりの大敵は冷えです。体を温めるには、何といっても入浴がいちばん。ぬるめの湯に肩までしっかり浸かり、やさしくマッサージすると、筋肉がほぐれ、血行がよくなります。温熱剤の入ったパックを当てるのも効果的。
 肩こりを解消、予防するには食事に気を付けることも大切です。
 血液の流れをよくするビタミンEが豊富なかぼちゃ、うなぎ、ナッツ類、DHA・EPAたっぷりのサバ・イワシ・アジなどの青魚。カルシウムが豊富なヨーグルトや小魚、小松菜、疲労回復が期待できるビタミンCが摂れるブロッコリー、いちご、カリフラワー。さらに、ビタミンBが豊富な玄米、大豆製品、豚肉などを上手に組み合わせ、バランスのよい食事をしましょう。疲労物質である乳酸の分解を助けるクエン酸たっぷりの梅干しなども効果的です。
 肩こりは気分が憂うつになりますが、上手に解消して、毎日軽やかな気分で、アクティブライフを楽しみたいものです。