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臨床家・鍼灸師
若林理砂
1976年生まれ。高校卒業後に鍼灸免許を取得。早稲田大学第二文学部卒。2004年にアシル治療室を開院。現在の趣味はカポエイラ。著書に『安心のペットボトル温灸』(夜間飛行)、『その痛みやめまい、お天気のせいです――自分で自律神経を整えて治すカンタン解消法』 (廣済堂出版健康人新書)、など多数。
冬に向かって、ぐっと気温が下がり始めるこの季節。今から備えておきたい乾燥と冷えへの対策を、鍼灸師の若林理砂先生に教えていただきました。
寒さが増してくる季節、気をつけたいのが、肌の乾燥と体の冷えです。この時期は朝晩の寒暖差がぐっと大きくなるなど、体が冬に対する準備ができていないうちにどんどん季節が進んでいってしまうので、気がついたときには、不調となって現れてしまいます。
乾燥対策としておすすめなのが、食事内容の見直しと保湿です。脂肪を少し多めに摂ることを心がけ、体の中の潤いを保つようにしましょう。健康のために脂肪分を控えているという人もいるかもしれませんが、摂りすぎと同じくらい不足するのもよくないのです。
肌については、お風呂での洗いすぎに気をつけ、保湿剤は浴室の中でつけましょう。浴室内で体を拭いてから、湿度100パーセントの中で保湿すると効果的です。
また、冷え対策にも食事改善は有効です。肉類や火を通した魚などのたんぱく質をたくさん摂ることで、体温を維持することができます。なかでも、体を温める効果が高いのがラム肉。私はよく、しゃぶしゃぶにして食べています。
外出する際は、風を通さない上着の中に、ウールのセーターなど空気を含むものを身に着けると暖かさがアップ。さらにその暖かい空気を逃がさないよう、首元にはスカーフやマフラーを巻いてください。下半身の冷えにはハイソックスがおすすめです。
東洋医学では、冬は体を守る季節とされています。激しい運動や長風呂など体力が奪われることは控えてゆったりと過ごし、栄養のあるものを食べ、ちゃんと睡眠をとる。そうすることで、翌年の夏がうんとラクに過ごせますよ。