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医学博士
飯沼一茂
1948年生まれ。立教大学理学部卒。米国製薬企業に研究員として勤務。1987年大阪大学医学部にて医学博士を取得。国立国際医療センター・肝炎免疫研究センター客員研究員、純真学園大学客員教授などを歴任。日本免疫予防医学普及協会代表。著書に『それでは実際、なにをやれば免疫力があがるの?』(ワニブックス)などがある。
日本人の約4人に1人が発症しているともいわれる花粉症。
その原因と対策を、医学博士の飯沼一茂先生に教えていただきました。
花粉症の原因は、花粉そのものではなく、免疫システムの過剰反応です。
免疫システムとは本来、外部から侵入する異物を攻撃して排除を行うものですが、誤って花粉など体に害がないものや自分自身の細胞を攻撃することがあります。実は免疫を担う細胞のなかには、制御性T細胞(Tレグ)という、過剰攻撃にブレーキをかける役割のものがあります。このTレグが減少すると、免疫バランスが崩れ、体を守るはずの免疫が暴走し、さまざまな病気を引き起こすのです。
最近の研究では、アレルギーのほかにも糖尿病や脳梗塞、アルツハイマー、がんといった幅広い病気に免疫バランスの乱れが関連していることがわかっています。
免疫システムが正しく働いている人
免疫システムが過剰に反応している人
健康な人は、免疫システムの攻撃とブレーキのバランスが取れていますが、体内のブレーキ役の「Tレグ」が減少すると、本来体を守るはずの免疫の働きが暴走し、花粉やホコリなど、体に害がないものや自分自身の正常な細胞を攻撃することがあります。
では、どうすればTレグを増やせるかというと、いちばんのカギは、腸内環境を整えることです。そのためには、根菜やキノコ、海藻など、食物繊維を多く含む食品を、積極的に食べましょう。食物繊維は、Tレグを作る腸内細菌のエサとなるからです。
またTレグは、身のまわりの常在菌など、体にあまり害がない菌に日々接すると増えるという報告があります。除菌のしすぎはTレグを減らしかねないので、注意しましょう。
一方で、口の中は清潔に保つことが大切です。歯周病菌は血液に乗って体中を移動し、免疫の過剰攻撃のきっかけとなる炎症を起こします。
花粉症をはじめ、さまざまな病気を防ぐためにも、バランスが取れた免疫システムの維持を心がけましょう。
食物繊維は腸内細菌のエサとなります。根菜やキノコ、海藻など繊維が多く含まれる食品を食べましょう。
何でも除菌や殺菌して身のまわりの菌を減らしすぎてしまうと、Tレグを作る機会を失ってしまいます。
歯周病菌は、腸の中に入って腸内細菌のバランスを崩すだけでなく、体中を移動して炎症を引き起こし、免疫の暴走のきっかけを作ります。