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東京足立病院副院長
日本大学医学部客員教授
内山 真(うちやま まこと)
1980年、東北大学医学部卒業、東京医科歯科大学精神神経科、国立精神・神経医療研究センター部長を経て、2006年より日本大学医学部精神医学系主任教授、2020年より現職。著書は『睡眠のはなし』(中公新書)、『眠りの新常識』(KADOKAWA)、『睡眠障害の対応と治療ガイドライン第3版』(じほう)など多数。
「寝つきが悪い」「夜中に何度も起きてしまう」「もっと寝ていたいのに早く目が覚める」……
多くの人が抱える睡眠の悩みについて、解消法を専門医の内山 真先生に伺いました。
私たちの体は年齢とともに睡眠時間が短くなります。これは脳を休ませる仕組みが変わるからで、若い頃のように朝までぐっすりと寝ていられなくなったからといって、特に気に病むことはありません。
問題なのは「朝早く起きるのだから、そのぶん早く眠らなければ」と、眠くもないのに早めに布団に入ること。暗い中で、じっとしていても眠れないという状態が続くと「なかなか寝つけない……」と不安に感じて、ますます眠れなくなってしまいます。
世界中の健康な人の調査では、平均睡眠時間は45歳で6.5時間、65歳で6時間くらいでした。毎日6〜7時間の睡眠時間が取れていれば心配はいりません。たくさん眠ってすっきり起きるのが健康だという思い込みと、現実の睡眠時間とのギャップが、不眠につながるケースが多いのです。
年齢とともに変化する“適度な睡眠時間”
夜、実際に眠ることのできる時間は年齢とともに短くなる半面、布団の中で過ごす時間は増える傾向があります。必要以上に長く睡眠をとっていないかを振り返り、適度な睡眠時間を心がけましょう。
また、必要以上の睡眠時間は眠りが浅くなる原因となります。思い切って布団の中にいる時間を短くすると、深い眠りが得られ、たとえ夜中にトイレに起きたとしても「何度も目が覚めた」という嫌な感じは残らないものです。
必要以上の睡眠は、眠りの質が悪くなる
睡眠時間を長くすると眠りが浅くなりがちです。夜間に何度も目が覚めてしまうという人は、思い切って布団にいる時間を減らすと、深い眠りを得やすくなります。
スムーズに眠りに入るためには、日中軽い運動などをして、脳に適度な負荷をかけるのがポイント。夜は、テレビを見たり趣味を楽しんだり、リラックスして過ごしましょう。その際、少量のアルコールはかまいませんが、飲みすぎると夜中に目が覚めてしまうので注意が必要です。
私たちは、自分の意志で眠ることはできません。睡眠のことを考えすぎずに夜を楽しんで過ごすことが、一番の快眠の秘訣といえるでしょう。
朝は日の光を浴びる
起床後、太陽の光を浴びると体内時計がリセットされ、15〜16時間後に眠くなり始めます。朝はカーテンを開けて光を取り入れましょう。
日中は軽い運動を!
日中の適度な運動は脳を刺激し、良い睡眠をもたらすことがわかっています。できるだけ活動的に過ごしましょう。
眠くなるまでリラックスして楽しく過ごす
スムーズに眠りに入るにはリラックスした状態が大切です。趣味を楽しむなど、自分に合ったリラックス法を見つけてみてください。
寝酒に要注意!
少量のアルコールはリラックスするには効果的ですが、寝る前に飲んだり、量が多かったりすると眠りが浅くなります。寝酒には気をつけましょう。