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東京大学医学部眼科学教室
教授(東大病院眼科 科長)
相原 一(あいはら まこと)
東京大学医学部、同大学院を卒業し博士号を取得。カリフォルニア大学サンディエゴ校緑内障センター主任研究員、東京大学医学部眼科学教室准教授、東京医科歯科大学特命教授兼任を経て、2015年より現職。日本眼科学会評議員、日本眼科学会指導医・専門医、日本緑内障学会理事長。緑内障の治療、研究の第一人者として、患者との対話を重視し、生活の質の向上を目指した治療と手術に力を入れている。
目の不調は、生活の質を大きく下げてしまいかねません。
年齢を重ねると増えてくる目の病気について、東京大学医学部の相原 一先生に伺いました。
年齢とともに目の不具合を感じる人は少なくありません。代表的なものが老眼で、ほぼすべての人に起こります。また、目がかすんだりぼやけたりする白内障も、発症率は60歳代で70%、80歳代ではほぼ100%となっています。
加齢による目の病気は、白髪と同じく老化現象なので低下した機能を元に戻すことはできません。しかし、症状を悪化させないためにも、見えづらさや異物感など普段と違う感じがあれば「年のせいだから」と放置せず、早めに眼科に行くことが大切です。
年を取ると目のさまざまな部分の機能が衰え、病気につながります。上図のほかに、視界に黒い糸くずや蚊のようなものが見える飛蚊(ひぶん)症、まぶたが開きにくくなる眼瞼下垂(がんけんかすい)なども加齢による症状のひとつです。
例えば、高い眼圧などが原因で視野が欠けてくる緑内障。日本人の中途失明の原因第1位と聞くと怖い病気だと思うでしょうが、眼圧が低いタイプの緑内障の場合は、進行がきわめてゆるやかです。早く発見して適切な治療をすれば視野や視力を保つことが可能です。視野の中心が暗くなったりゆがんだりする加齢黄斑変性も、早期治療で視力低下を防げます。
ただし、これらの病気は片方の目に症状が出ても、両目で見ていると気づかないことが多いので注意が必要です。たまに片目だけで見てチェックしましょう。
片目にのみ症状が出た場合、特にそれが利き目でない場合には発見が遅れがちになります。ときどき片目をふさいで、左右それぞれの目の見え方を自分でチェックしてみましょう。
図は緑内障の例ですが、両目で見ると、見えない部分を補ってしまうので、気づいたときには重症という場合も。
また、最近増えているのがドライアイです。涙を出す機能の衰えや涙の質の変化に加えて、コンタクトレンズやスマホを使う人が多くなっていることも原因のひとつです。ドライアイ用の目薬を使ったり、まばたきを多めにしたりすると、つらい症状が和らぎます。
就寝中の乾燥を防ぐ
室内が乾燥していると涙が蒸発しやすくなります。涙の分泌量が減る就寝時にエアコンをつけたままにする場合は、夏でも加湿器などの利用がおすすめです。
目のまわりを温める
涙の油分を補給する分泌腺の詰まりが解消されやすくなります。マッサージで血流を良くするのもいいでしょう。
目にも休憩時間を
長時間同じものを見続けるなど、目の使いすぎに注意しましょう。1〜2時間おきに視線を遠くに移すと、ものを見る筋肉の緊張が解け、目の負担が和らぎます。
目は大切な器官。自覚症状がなくても40歳を超えたら毎年定期的に受診し、現状と将来のリスクを確認することをおすすめします。