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北里大学北里研究所病院
脳神経内科部長
飯ケ谷美峰(いいがや みほ)
北里大学医学部卒。日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本神経学会神経内科専門医・指導医・代議員、日本頭痛学会専門医・代議員、日本脳卒中学会専門医、日本医師会認定産業医。2006年より北里大学医学部専任講師、2016年より現職。片頭痛の生活支障度票MIDAS日本語版の開発、頭痛記録アプリ「頭痛クリック」の開発などを行い、頭痛の診療および研究に多年従事している。
人にはなかなかわかってもらえない頭痛のつらさ。
日本人の4人に1人が悩んでいるという頭痛の原因と解消法について、北里大学北里研究所病院の飯ケ谷美峰先生に伺いました。
頭痛は大きく二つに分けられます。一つは、脳や体になんらかの原因や疾患があって起こる頭痛です。例えば、くも膜下出血や頭部外傷で起こる頭痛など命に関わる病気やケガが原因のこともありますが、二日酔いの頭痛などもこれに含まれます。
もう一つが、いわゆる「頭痛持ちの頭痛」と呼ばれるものです。脳に異常はないものの繰り返し起こるのが特徴で、片頭痛や、緊張型頭痛がその代表です。慢性頭痛のほとんどがこのどちらかで、両方を併発している人もいます。命に関わるわけではないため、市販の痛み止めを利用する人が多いようですが、薬の使い過ぎによって逆に頭痛の頻度が増えたり、薬が効きにくくなったりすることもあるので注意が必要です。
片頭痛
20歳〜40歳代の女性に多いのが特徴です。家族に片頭痛の人がいるとなりやすいと言われますが、光や音の刺激、寝過ぎ、寝不足など複数の要因が重なることで起こります。つらいときは、こめかみなどを冷やすと血管が収縮して痛みが軽減します。
緊張型頭痛
常にストレスを感じている人、肩や首のこりなどがある人に起こりやすく、痛みの程度は中程度ですが比較的長く続きます。対処法としては、温めたりストレッチをしたりして、筋肉の緊張をほぐすのが効果的です。
ちなみに片頭痛には専用の痛み止めがあり、頭痛外来や頭痛専門医がいる病院などで処方してもらえます。また、診察を受けることで思わぬ頭痛の原因が見つかる場合もあります。例えば、生活習慣病の治療のために飲んでいる薬が頭痛を引き起こしているケースもあります。こうした場合は、薬を変えると頭痛が改善します。たかが頭痛と思わずに、いつもと違う痛みや、つらいときは、専門医の受診も検討してみましょう。
病院にかかる際には、お薬手帳はもちろん、頭痛が起こったときの状況などの記録を持参することをおすすめします。頭痛は睡眠や飲酒、ストレスとも関連が深いため、発症しやすい生活パターンがわかれば、頻度を減らす方法について医師からアドバイスをもらうこともできますよ。
頭痛の様子や、薬の効果、睡眠時間、その日の天候などを記録しておくと、自分の頭痛のパターンがつかめ、医師も診断がしやすくなります。スマホに記録できるアプリを利用してもいいでしょう。また、痛み止めの薬を飲んだ日は外箱や手帳に記録して、飲み過ぎを防ぐ工夫を。
ウォーキングやラジオ体操で
運動不足を解消
緊張型頭痛の予防には、姿勢を正し、肩まわりをほぐして血行を良くするのが効果的です。また、運動はストレスを減らすのにも役立ちます。
夢中になれる趣味でストレス発散
緊張型頭痛はストレスがあるときに起こりやすくなります。スポーツや料理など夢中になれる趣味に取り組んで、ストレスを発散しましょう。
自分に適した睡眠時間をとる
睡眠リズムを整えることで、頭痛を防ぐことができます。自分の適正睡眠時間を知るには、いつもより早めに寝て、目覚ましを使わず自然に起きる生活を1週間続けてみましょう。