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さかいクリニックグループ代表
柔道整復師
酒井慎太郎(さかい しんたろう)
さかいクリニックグループ代表。柔道整復師。千葉ロッテマリーンズ元オフィシャルメディカルアドバイザー。朝日カルチャーセンター講師。整形外科や腰痛専門病院での臨床スタッフの経験を生かし、腰・首・肩・ひざの痛み、スポーツ障害に対する施術を得意とする。多くのアスリートや著名人の治療を手がけるほか、さまざまなメディアにも出演。著書は100冊を超え、ドイツなどでも販売。
ある日突然、肩に痛みが……。「五十肩」に悩む人は少なくありません。
その予防法とセルフケアを、柔道整復師の酒井慎太郎先生に伺いました。
肩が痛んだり関節の動きが悪くなる「五十肩」は、正式には肩関節周囲炎といいます。骨や軟骨、靱帯、腱など肩関節の周囲の組織に炎症が生じ、痛みとなって現れるのです。なかでも腕を上げる動作や、手を後ろに回す動作の際に痛みを感じるケースが多く、シャンプーや洗顔、上着の袖に手を通す動作などに不自由を感じるようになります。「夜間痛」といって、痛みのために夜眠れないこともあります。
ある日突然痛み出す「五十肩」ですが、スポーツや仕事で肩を酷使したとか、ひどくぶつけたなど、明らかなきっかけがあって始まるわけではありません。悪い姿勢を長年続けて「巻き肩」や「ストレートネック」になってしまい、肩関節まわりの筋肉や腱のバランスが崩れたことで、症状が出てくることが非常に多いのです。
首が前方に突き出した「ストレートネック」
肩が前方に巻き込まれたような「巻き肩」
首の骨が緩やかなカーブを描き、耳の穴の下に肩の中央がある
これを防ぐには、日頃から姿勢に気をつけることが大切。何か作業をするときに前かがみになる人、首を前に突き出したような姿勢で背中を丸めて座る癖のある人は特に注意しましょう。
また、簡単なストレッチで、体に正しい姿勢を覚えさせるのも有効です。右ページで2つご紹介していますので、ぜひ試してみてください。「五十肩」の予防になるほか、既に症状のある方には、肩の動きづらさの解消に役立ちます。ただし、動かすことで痛みが増したり、痛みが長引いたりする場合は、医療機関を受診しましょう。
肩甲骨テニスボール + あご押しストレッチ
テニスボールが肩甲骨の間に当たるよう仰向けに寝て、垂直方向に力を加えてあごを押し、そのまま、1〜3分間キープ。これを1日に1〜3回、行いましょう。
背中反らし
両手を後ろで組み、上に上げて背中を反らします。左右の肩甲骨を寄せるように、胸を開きましょう。1回10秒、1日に2〜3回がおすすめです。痛みがある場合は、無理に行わないようにしましょう。
良い姿勢は肩だけでなく、全身が動きやすくなります。「歳だから仕方ない」などと思わず、毎日少しずつ続けてくださいね。
スマホは顔の高さまで上げる
スマホや携帯電話を見たり、操作したりするときは、本体を顔の高さまで上げると、前かがみになるのを防げます。脇に握りこぶしを入れると安定します。
バッグは斜め掛けで肩の負担を少なく
カバンはリュックがベストですが、ショルダーバッグの場合は斜め掛けに。その際、肩の中央よりもできるだけ肩先に掛けるほうが肩への負担が少なくなります。
就寝時は枕を使わず、
仰向け寝がおすすめ
寝る際は枕を使わず、仰向けがおすすめ。寝にくければ、タオルを数枚重ねて枕代わりに使いましょう。横向きでしか寝られない場合は、枕かクッションを頭の両脇に置くと、横向きになりにくく巻き肩も防げます。また、マットレスは程良く硬めのものがおすすめです。