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政策研究大学院大学保健管理センター
所長・教授
片井 みゆき(かたい・みゆき)
医師・医学博士。信州大学医学部卒、同大学院内科系修了。同附属病院内分泌内科、米国ハーバード大学医学部フェロー、東京女子医科大学准教授(性差医療・女性内科担当)を経て、2020年より現職。2024年から日本性差医学・医療学会理事長に就任(女性初)。内分泌内科医かつ性差医療のパイオニア的存在として女性専門外来に長年従事し、講演・著作のほか、NHK出演等も多数。
閉経が近づく年代になると心身の不調に悩む女性が増えます。更年期に多く見られる症状と気をつけたいポイントを、女性専門外来で多くの女性を診てきた片井みゆき先生に伺いました。
女性は40歳前後から女性ホルモンが徐々に減少し始め、50歳前後で閉経を迎えます。その前後5年間、合計約10年間を「更年期」と言いますが、この時期に心身の不調を感じる人は少なくありません。
いわゆる「ホットフラッシュ」と呼ばれるのぼせやほてり、発汗に加えて不眠や疲労感、不安感やイライラなど、人により症状はさまざま。主な原因は女性ホルモンの分泌が低下することなのですが、子育てや介護、仕事などの疲労やストレスが重なることで不調を強く感じる人もいます。
更年期の不調は大きく2つに分かれます。1つがホットフラッシュなど自律神経の症状。もう1つが、不安感やイライラなどの精神的症状です。そのほか、腰痛や肩こりがひどくなる人もいます。
また、女性ホルモンには血圧やコレステロールの調整、骨量の維持などの働きもあるため、閉経後は高血圧や動脈硬化、糖尿病、骨粗しょう症などのリスクが高まります。これらの病気のほか、女性に多い甲状腺の病気などは更年期と似ている症状があり「更年期だから」と放置していると、悪化してしまうかもしれません。不調を感じたら早めに受診して他の病気がないことを確認し、次に更年期症状の治療を検討するという順番がおすすめです。食事や運動など生活の改善も症状の軽減に役立つので、取り組んでみてください。
更年期世代に不足しがちなたんぱく質と、たんぱく質の代謝を助けるビタミンB群は毎日積極的に摂りたい栄養素。また、骨粗しょう症予防になるカルシウムやビタミンDを含む食品もこまめに摂りましょう。
適度な運動は自律神経のバランスを整え、更年期の不調をやわらげます。特にウォーキングやジョギングなどの軽い有酸素運動は動脈硬化対策にもなります。
睡眠は自律神経にも深く関わっています。規則正しい生活や、寝室の明るさや室温など睡眠環境の改善を行うことで、質の良い睡眠を確保できるようにしましょう。
出典:一般社団法人日本内分泌学会のホームページの内容を一部改変
女性ホルモンの分泌の急激な低下やゆらぎが、更年期に伴う不調の主な原因です。また、男性も40代以降になると男性ホルモンの低下が原因による症状が出る場合があります。
最近では、男性ホルモンの低下から、男性にも女性の更年期症状と同じような症状があらわれることがわかってきました。男性ホルモンは女性ホルモンほど急激に変化しませんが、男性に更年期症状があると知らないことで心身の変化に戸惑い、「うつ」状態になってしまうケースもあります。
更年期は誰にでも訪れるもの。我慢せずに適切な対処を行い、毎日を充実して過ごしましょう。