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埼玉精神神経センター
埼玉国際頭痛センター
センター長
坂井 文彦(さかい・ふみひこ)
慶應義塾大学医学部卒業。同・内科学教室に入局し、神経内科および脳循環代謝の臨床と研究を始める。米国ベイラー医科大学神経内科留学、北里大学医学部神経内科学教授、埼玉医科大学客員教授を経て現職。日本頭痛学会の理事長など要職を歴任し、長年、日本の頭痛治療に貢献してきた。著書に『まんがでわかる片頭痛の治し方』(イースト・プレス)などがある。
台風接近時や雨が降る前など、天気が崩れそうなときに頭痛が起こる人がいます。
その理由と対処法を、埼玉国際頭痛センター長の坂井文彦先生に伺いました。
天候の変化などの刺激に三叉(さんさ)神経が過剰反応し興奮すると、三叉神経から放出された物質が脳の血管を拡張させるとともに血管の周囲に炎症を起こします。その結果、片頭痛が起こるのです。
片頭痛を起こす要因は天候の変化だけではありません。何に反応するのか、どれくらいの刺激で反応が起こるのか、それぞれ人によって異なります。
天候の変化による頭痛は、気象病や天気痛と呼ばれていますが、これらは医学用語ではなく、実は片頭痛による症状です。片頭痛は、何らかの要因によって「三叉(さんさ)神経」が刺激され、放出された痛みの原因物質が血管の拡張や炎症を引き起こすことで生じる痛みです。気圧や温度、湿度といった天候の変化はその要因のひとつ。“片頭痛持ち”の人は変化に敏感なので、頭痛が起きてしまうのです。
最近では片頭痛によく効く薬があるので、天候の変化で頭痛を起こしやすい人は、頭痛外来などを受診してみるとよいでしょう。市販の痛み止めは、頻繁に使い過ぎるとかえって頭痛が起きやすくなることがあるので注意が必要です。
セルフケアで有効なのは、運動などで普段から血流を良くしておくこと。血流が滞っていると血流が急激に増えたときに頭痛が起きます。また、左ページで紹介している頭痛体操もおすすめです。片頭痛による痛みの信号を受け続けた脳は痛みが記憶されてしまい、頭痛がないときでも痛いと感じるようになりますが、頭痛体操は、慢性化した片頭痛の「痛みの記憶」のリセットにも役立ちます。
もうひとつおすすめしたいのが、頭痛の様子を記録する『頭痛ダイアリー』の活用です。自分がどのような刺激に弱く、どんな状況で頭痛が起きやすいかという「頭痛が起きるパターン」がつかめれば、早めの対処ができるようになります。
片頭痛の大敵は「変化」。天候が不順になる季節は特に規則正しい生活を心がけ、心身にストレスがかかる状態を避けましょう。
頭と首を支える筋肉のストレッチで、片頭痛の慢性化を予防しましょう。2分間、両肩を左右交互に水平を保ちながらリズミカルに回します。