冷え性のタイプと原因を知って寒い冬を乗り切る対策を!|伊藤園の公式通販「健康体」
ドクターズアドバイス セルフケアで手軽に対策!

冷え性のタイプと原因を知って
寒い冬を乗り切る対策を!

この先生に聞きました
めぐり鍼灸院 院長 東京女子医科大学附属 東洋医学研究所 非常勤 田久実子(たかた・くみこ)

めぐり鍼灸院 院長
東京女子医科大学附属
東洋医学研究所 非常勤

田久実子(たかた・くみこ)

鍼灸師、全日本鍼灸学会認定鍼灸師、日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー。早稲田医療専門学校卒業。1999年、はり師きゅう師免許取得。東京女子医科大学附属東洋医学研究所にて20年以上、鍼灸治療に携わる。2019 年より千葉県松戸市に、こどもと女性のための「めぐり鍼灸院」開業。現代医学と東洋医学の観点から幅広い年代の方の施術を行っている。

寒さが厳しくなってくるこれからの季節は、冷え性の人には辛い時期です。
冷え対策について、鍼灸師の田久実子先生に伺いました。

冷えを感じたら温める。早めの対処が大切!

 ひと口に冷え性と言っても原因や症状はさまざまで、冷える場所によって4つのタイプに大きく分けられます。

 例えば、全身の冷えはやせている人や高齢者に多く、筋肉量が少ないために体内で熱がつくれないのが原因です。手足など末端の冷えは、自律神経の切り替えがうまくいかず血流が滞っていますし、お腹の冷えは胃腸の不調などが原因で水分が滞り、むくみやすくなります。下半身の冷えは、座り姿勢が長く血流が滞っている人や、筋力不足の人に見られます。

 冷えの解消には何よりも温めることが大切ですが、それぞれのタイプに合わせた根本的な対策も必要です。下の対処法を参考に筋肉をつけたり、自律神経を整えたりして、取り組んでみましょう。

冷え性のタイプで異なるおもな原因と対処法

全身が冷える

筋肉が少なく、熱をつくり出す力が弱いために全身が冷えてしまっています。

【対処法】
タンパク質を多く含む食事を心がけ、ウォーキングやストレッチなど軽い運動を続けて筋肉を落とさないようにしましょう。

お腹が冷える

お腹が冷えやすい人は、胃腸が弱いため水分の巡りが悪くなっています。むくみやすいのも特徴。

【対処法】
ツボを押したり、温めたりして巡りを良くするとともに、温かい飲み物や食べ物で、体の内側から温めましょう。

手足が冷える

自律神経の切り替えがうまくいかず、交感神経が緊張して血流が滞っています。

【対処法】
自律神経のバランスを整えるには、温かいお風呂に浸かった後、冷水シャワーを浴びることを繰り返す「交代浴」がおすすめ。腹式呼吸も効果があります。

下半身が冷える

座っている時間が長く、お尻やふくらはぎの筋肉が硬くなっていると脚の血流が滞ります。上半身は冷えていないため、気づかない人もいるので注意が必要。

【対処法】
ストレッチや運動で筋肉をほぐし、下半身の血流を良くしましょう。

 最近は病院でも冷え性に漢方薬などを処方してもらえますが、セルフケアも家庭で手軽にできます。代表的なものがツボを押したり温めたりする方法。冷えのタイプにかかわらず効果的なツボを上のイラストで紹介しますので、試してみてください。温める場合は、火を使わない手軽なお灸が市販されていますし、ホット用のペットボトルやドライヤーを活用してもいいでしょう(※)。

 また、普段から体を冷やさないことも大切です。貼るタイプのカイロを使っている方も多いと思いますが、汗をかくとかえって体を冷やす上、低温やけどの危険もあるため、温度設定ができる電気カイロをおすすめします。日常生活においても、首元にマフラーを巻く、冷たい飲み物は避けるなどの工夫で冷えを遠ざけましょう。

※ご注意
ホット用のペットボトルは高温での使用を避けてください。ドライヤーも心地よい温かさになるよう、体から離して使用しましょう。

どのタイプの冷えにもおすすめのツボ

三陰交(さんいんこう)

足の内くるぶしの一番高いところから指4本分上の部分。「肝」「脾」「腎」の3つの経絡が交わるところなので、どのタイプの冷えにも効果的。

関元(かんげん)

おへそから指4本下にあるツボ。丹田(たんでん)と呼ばれることもあります。気が集まるところとされていて、ここを温めると全身が温まります。

ツボを押すときの注意

ツボを押すときは、心地よく感じる程度に。3〜5秒軽く押して離す動作を、5回ほど繰り返します。強く押しすぎると体に力が入ってしまい、効果が得られにくくなるので気をつけましょう。

肩甲骨の間を
ドライヤーで温める

風門(ふうもん)と呼ばれるツボがあるほか、太い血管が通っている部分のため、効率よく温まります。自分では届かない場所なので、ドライヤーの温風を当てるのがおすすめ。ただし、やけどには十分ご注意ください。