体脂肪とは?どうしたら体脂肪を減らせるの?|伊藤園の公式通販「健康体」

体脂肪とは?どうしたら体脂肪は減らせるの?

「健康診断で体脂肪率が高かった」「最近おなか周りのお肉が気になる」などございませんか?健康的なカラダを作るための体脂肪の基礎知識や体脂肪を減らすための方法ついて栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅先生と栗原ヘルスケア研究所の栗原丈徳所長に伺いました。

Q1.
体脂肪とはなんですか?
A.
体脂肪とは、文字のごとく体につく脂肪のことです。

体には2種類の脂肪があります。
皮膚の下にあるのが皮下脂肪、内臓まわりにつくのが内臓脂肪です。
内臓脂肪とは、お腹の内臓まわりについた脂肪のことで、主に腸の周りの膜に脂肪がつくため、 内臓脂肪が蓄積するとお腹がポッコリ張り出します。これを「りんご型肥満」と呼ぶこともあります。 内臓脂肪は皮下脂肪と比較すると「つきやすく、減らしやすい」のが特徴です。
一方、皮下脂肪は、皮膚の下の皮下組織に蓄積する脂肪のことをいいます。 お尻や太ももなど下半身や、二の腕やお腹まわりなどの動かさないところに集中してつくのが特徴で、 外的刺激から体を守るクッションの役割や、寒いところでも体温を維持するといった働きもしています。 女性に多く「洋なし型肥満」とも称されます。皮下脂肪は、一度ついてしまうと減らしにくいのが難点です。
そして、第3の脂肪として注目されているのが、肝臓や膵臓、筋肉につく異所性脂肪です。 特に注視すべきは肝臓内に溜まる脂肪「脂肪肝」。脂肪肝を発症すると、糖尿病や動脈硬化が進行し、 肝臓も肝硬変へ進展することが懸念されています。そのため、脂肪肝は「蓄積しすぎると身体に悪影響が及ぶため」、 身体が健康を守ろうとして真っ先に落ちる脂肪といわれています。
体脂肪とは、文字のごとく体につく脂肪のことです

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Q2.
なぜ脂肪はたまるのですか?
A.
「食べすぎ(栄養の摂りすぎ)」と「インスリンの過剰な分泌」によるものです。

食べすぎにより、消費されなかった栄養の「あまり」は脂肪として蓄えられます。 また、糖質の量が多かったり短時間で摂取することで血液中の糖の濃度「血糖値」が上がり、 「食後高血糖」を引き起こします。血糖値が高いと血管が傷つけられ、やがて神経や臓器の機能が低下してしまうため、 「インスリン」というホルモンが膵臓から分泌され、血糖値を一定に保つ一方で糖質を脂肪に変えていきます。 過剰なインスリン分泌により糖質は脂肪に変わり蓄積されます。
食べすぎ栄養の摂りすぎとインスリンの過剰な分泌によるもの

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Q3.
体脂肪はどのように増えていくのですか?
A.
性別や脂肪の付き方にもよりますが、脂肪肝などの異所性脂肪→内臓脂肪→皮下脂肪の順に蓄えられていきます。

食事中の糖質は、小腸でブドウ糖に分解され、肝臓でエネルギー源となる「グリコーゲン」となり貯蔵されます。 グリコーゲンの肝臓での貯蔵量の限界を超えると中性脂肪として蓄えられます。これが脂肪肝です。 早ければ1週間で脂肪肝になってしまいます。 そして、中性脂肪の貯蔵量にも限界があり、肝臓からあふれ出した中性脂肪はまず、3〜4週間で内臓脂肪、 そして2〜3ヶ月後から皮下脂肪にもなります。尚、脂肪が落ちる順番も同じ順番になります。
脂肪肝などの異所性脂肪 内臓脂肪 皮下脂肪の順に蓄えられていきます

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Q4.
健康診断のどの部分を注視しなければいけませんか?
A.
(1)脂質代謝(2)糖代謝(3)肝機能が基準値かを確認してください。

脂質代謝
細胞やホルモンなどの材料となる脂質「コレステロール」とエネルギーとなる脂質「中性脂肪」の状態がわかります。 コレステロールは肝臓で作られ、機能維持のために全身に運ばれ、使われずに余ったものは再び肝臓に戻されます。 全身に運ばれるものが「LDLコレステロール」、肝臓に戻ってくるものを「HDLコレステロール」と呼び、 バランスが崩れると「脂質代謝異常」と判断されます。
糖代謝
血液中の糖の量「血糖値」と過去1〜2ヶ月の血糖値の状態を表す数値が「ヘモグロビン」で確認でき、数値が高いと糖尿病などのリスクがあります。
肝機能
ALT(GPT)糖質の摂りすぎによって肝細胞に異常が発生すると、最初に増えてきます。
AST(GOT) 肝細胞が壊されたときに放出され、ALTより高ければお酒の飲みすぎ、低ければ糖質の摂りすぎが疑われます。
γ-GTPアルコール性肝障害、糖質の摂りすぎやストレスで数値が上昇します。200を超えるとアルコール性脂肪肝の可能性が大です。
アルブミン栄養素を運搬するのに役立つ血液中のたんぱく質で不足すると筋肉や血管を十分作ることができなくなり、脂肪燃焼の力も弱くなります。

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Q5.
体脂肪が多いのですが、減らすためにはまず何をしたらいいですか?
A.
生活習慣を見直すこと、特に食事や体重を記録しまずは問題点を把握しましょう。

体脂肪を減らすために、まずは生活習慣の見直しから始めましょう。 体脂肪の素の「中性脂肪」は、ちょっとした工夫で3日で減り始めます。さらに内臓脂肪は「つきやすいけれど落ちやすい」 特性があるため、ちょっとしたことの積み重ねが着実に体脂肪を減らすことにつながります。 体脂肪は、数日食事を抜いたからといって減るものではなく、逆に食事を抜くと、体が飢餓状態だと勘違いして 脂肪を溜め込んでしまいます。そのため、まずはご自身の問題点を把握しましょう。

(1)食事の記録
朝食、夕昼食、夕食、飲み物、間食をそれぞれ記録し後で見直せるようにしましょう。スマホのカメラで撮るだけでもいいです。 記録してみると、「自分はそんなに食べていない」と思っている人でも「ちょこちょこおやつを口にしている」など見落としがちな 問題点が見えてきます。

(2)体重の記録
毎日同じ時間に体重を測りましょう。 内臓脂肪は食生活を改善するとすぐに体重が減るなど効果が現れてモチベーションアップにつながります。
生活習慣を見直すこと特に食事や体重を記録しまずは問題点を把握しましょう

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Q6.
体脂肪が高い場合の生活習慣のポイントを教えてください。
A.
食生活の見直しが一番の近道。さらに普段の生活をできるところから少し見直すだけで体に変化があらわれます。


  • ■食生活の5つのポイント
  • (1)食事をいつもの9割にする
  • 米、麺、パンなど糖質を多く含むものを減らすようにしましょう。
  • (2)食べる順番は、食物繊維→たんぱく質→糖質
  • 野菜やきのこ、海藻類などの食物繊維が豊富で訂エネルギーな食品から食べれば、そのあとに食べるものの吸収が穏やかになり、脂肪がたまりにくくなります。
  • (3)いつもより10回多く噛んで食べる
  • ゆっくり食べることが血糖値が急激に上がるのを防ぎます。いつもより多く噛んで食べることを意識して、料理を味わって食べましょう。
  • (4)糖質やアルコールの過剰摂取を控える
  • 適度な糖質やアルコールは問題ないですが、摂りすぎてしまっている人がほとんどですので量を減らすようにしましょう。
  • 22時以降は食べない
  • 22時から深夜2時は太りやすい時間帯です。また食べてすぐ寝てしまうと食べたものがうまく分解できず、 脂肪として蓄積されやすくなります。

  • ■食事以外の生活習慣の5つのポイント
  • (1)いつもより30分長く歩く
  • 歩くことも立派な運動です。通勤の行き帰りに15分ずついつもより長く歩くだけでも着実に内臓脂肪が減り、 数値が改善していきます。また、歩くときは少し速めのスピード「ちょいきつ」が効果的です。
  • (2)たばこを控える
  • 煙草を吸うと血管が収縮し、柔軟性を失わせてしまいます。血管の状態が悪くなると痩せにくくなります。
  • (3)階段を積極的に利用する
  • エレベーターやエスカレーターを使用せずに積極的に階段を利用するようにしましょう。特に階段を下りるときは、できれば1段1秒ぐらいかけ、太ももの筋肉がしっかりと固くなるのを感じながら降りるようにすれば、ちょっとしたエクササイズになります。
  • (4)ストレスを貯めこまない
  • イライラしたり緊張すると、ホルモンの作用で、食欲を抑えきれずに食べる量が増え、血糖値の上昇で脂肪がたまりやすくなります。 体を動かしたり、趣味に没頭するなど自分に合った対処法でうまくストレスをコントロールし軽減するようにしましょう。
  • (5)質の良い睡眠をとる
  • 睡眠中にやせる準備=体の修復&リフレッシュを「成長ホルモン」が行います。そのため理想は、23時〜6時の7時間睡眠。 また、ベッドに入る1時間前には電子機器をやめ、寝る時間と起きる時間を統一し、朝起きたら朝日を浴びることでよく眠ることができます。
食生活の見直しが一番の近道 さらに普段の生活をできるところから少し見直すだけで体に変化があらわれます

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Q7.
体脂肪を減らすために、カロリーを抑えた食事をしなければいけませんか?
A.
カロリーより糖質を気にしましょう。

ダイエットのためにはカロリーを減らすイメージがありますが、カロリーの低い料理を選ぼうとすると、 逆に炭水化物など糖質の多いものを選んでしまう傾向がある場合があります。 多すぎる糖質は体内で中性脂肪になってしまいます。また、カロリーを抑えようと肉などのたんぱく質を減らせば、 筋肉の量が減り、消費できるエネルギー量や余った糖を蓄えられる量も減ってしまいます。 カロリーを減らそうとすると、逆に体重が落ちにくい体質になってしまいますので「糖質」を意識するようにしましょう。 ただし、「糖質」も大切な栄養素なので、過剰な糖質制限をするのではなく、男性で1日の糖質摂取量250g、女性で200gを意識し、 少しずつ糖質を抑えるようにしましょう。
カロリーより糖質を気にしましょう

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Q8.
体脂肪を減らすために、食べたほうがいい食材はありますか?
A.
「おさかなすきやね」がおすすめです。

日本人の栄養バランスは平均で、「炭水化物(ほぼ糖質)6:たんぱく質2:脂質2」と言われていますが、 体脂肪を減らすためには「炭水化物5:たんぱく質3:脂質2」と、主食を減らしてたんぱく質を多く含む食材を摂ることを おすすめします。そこで食材の頭文字「おさかなすきやね」を毎日の食事に取り入れてみましょう。
  • 「お」…お茶、オリーブオイル
  • 「さ」…魚(特に青魚)
  • 「か」…海藻
  • 「な」…納豆
  • 「す」…酢
  • 「き」…きのこ
  • 「や」…野菜(糖質少なめの葉野菜がおすすめ)
  • 「ね」…ねぎ
  • <その他>・豆腐
おさかなすきやね がおすすめです

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Q9.
運動嫌いですが、体脂肪を減らすためには運動は必須ですか?
A.
運動は大切です。ただし、とても簡単な方法があります。


体脂肪を減らすためには、運動は不可欠です。ただし、わざわざ「運動をしよう」と考えるよりは、小さなことでも続けることの 方が大切です。例えば、食後30分は運動のゴールデンタイム。つまり食事を始めてから60分後くらいに血糖値はピークに達するので、 その時にエネルギー源である糖を消費すれば中性脂肪になる余分な糖を減らすことができます。軽い散歩などがお勧めですが、 食後に「どうしてもソファで寝そべりたい」と思うようなら、ソファで寝ながら手足をバタバタしてみましょう。 また、脂肪をエネルギーとして消費する器官「筋肉」を増やすことも大切です。というのも筋肉が多いほど基礎代謝量が増え、 痩せやすい体になるからです。人の体は、下半身に大きな筋肉が集まっており、全体の約7割を占めます。 つまり下半身の筋肉を鍛えれば、効率よく脂肪が燃やせるようになります。 そこでお勧めしたいのが、どこでもできる「ゆる筋トレ」の「スロースクワット」です。 朝と夜に5回ずつ1日10回をゆっくりと。簡単なのでぜひお試しください。
スロースクワットがおすすめです

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Q10.
食事・運動以外に注意することはありますか?
A.
入浴、歯磨き、正しい姿勢も大切です。

入浴も脂肪燃焼に影響を与える習慣です。 やせる準備ともいえる「質の良い睡眠」のためにも、就寝の1時間前までに38〜40度のぬるめの湯舟に15分以上しっかり つかるようにしましょう。最後に足のすねから先にシャワーで水をかけることで、末端の血流が刺激されるのでおすすめです。
歯磨き(口腔ケア)不足は肥満を加速させ、歯周病菌が筋肉に脂肪をつけることが最近の研究で発表されています。歯の磨き残しが あると、歯周病菌が増殖します。その歯周病菌や歯周病菌が出す毒素が腸に届き、腸内細菌叢(腸内フローラ)つまり腸内の 細菌類のバランスが崩れます。これは、糖や脂肪をエネルギーとして消費する筋肉の一部である骨格筋にも影響します。 骨格筋は運動や姿勢の保持だけでなく、糖の代謝の調節においても大切な役割を担っており、腸内の細菌類のバランスが崩れることで、 骨格筋の代謝機能が低下し、骨格筋の脂肪化が促されてしまうのです。 口腔ケア・歯周病予防には、歯ブラシや歯間ブラシなどの歯間清掃具を合わせて使い、磨き残しがないようにしましょう。
猫背や椅子にもたれかかる姿勢は、胸が圧迫されて呼吸が浅くなることで体に必要な酸素が十分いきわたらずに、 体内での代謝も悪くなり、中性脂肪も減らしにくくなります。あごを引き、背筋を伸ばし、おへその下の丹田(たんでん)に 軽く力を入れておなかを引っ込めることで、体幹を鍛えることができ、基礎代謝量をあげることができます。
A.入浴 歯磨き 正しい姿勢も大切です

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Q11.
体脂肪を減らすための数値の目安はありますか?
A.
体重は1ヶ月でマイナス500g。男性は2ヶ月目以降、女性は3ヶ月目以降に変化があらわれます。

一般的に男性は内臓脂肪、女性は皮下脂肪が多くつくと言われています。内臓脂肪は燃焼しやすいので食事を改善すると 約2ヶ月で体型の変化が見られます。一方皮下脂肪は燃焼されにくいため、約3ヶ月かかります。尚、急激な減量は体調不良を招き、 リバウンドをしてしまいかえって太るケースもあります。そのため、1ヶ月500gの減量を目安にして健康的に脂肪を落としましょう。
体重は1ヶ月で500g 男性は2ヶ月目以降 女性は3ヶ月目以降に変化があらわれます

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栗原クリニック東京・日本橋栗原毅先生

監修

栗原 毅(くりはら たけし)

栗原クリニック東京・日本橋 院長

医学博士。北里大学医学部卒。前慶應義塾大学特任教授、前東京女子医科大学教授。メタボリックシンドロームや糖尿病などの 生活習慣病の予防と治療を目的とした「栗原クリニック東京・日本橋」を開院。「血液サラサラ」の提唱者でもある。 主な著書に、『ズボラでもラクラク!1週間で脂肪肝はスッキリよくなる』(三笠書房・知的生きかた文庫)、 『名医が教える「本当に正しい糖尿病の治し方」』(エクスナレッジ)、『病院・薬いらずの高カカオチョコ習慣』(笠倉出版社)、 『緑茶を食べると、なぜ糖尿病や認知症に効くのか』(主婦の友インフォス情報社)など多数。

栗原ヘルスケア研究所栗原丈徳様

監修

栗原 丈徳(くりはら たけのり)

栗原ヘルスケア研究所 所長

歯科医師。鶴見大学歯学部卒。「予防歯科医学」「食と健康」などをテーマに、大学や介護施設で 講演も行う。著書に『糖尿・がん・ボケ・寝たきり 口を鍛えればすべて解決する』(共著・主婦の友社)、監修書に 『内科医と歯科医が教える 病気知らずの食べ方 みがき方』(部分監修・日東書院)、『新型コロナウイルス対策! 免疫力を上げる50の方法』(部分監修・宝島社)などがある。